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蒼き星の子と機械仕掛けの獅子王レグルス  作者: 常聖大
高校1年生編 1章
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高校1年生編 1章 第13話 雷

次は5月16日前後に投稿予定です。

「こいつが……。サエウム……」


 目の前にいる男は確かに3Dで作成したモンタージュの男だった。痩せてはいるが、確かに身長は2メートルはありそうだ。

 聖職者と呼ばれるだけあって、地球の聖職者とは微妙には違うものの、なるほどどことなく聖職者を思わせる格好だった。

 彼の横にはファミリアが地面から数センチ程度、空中に浮いている。これが相良大地たちを石に変えたファミリアだろう。


「まあ、名前は知っているでしょうが……。一応、名乗らせていただきました。礼儀としてね。紅鏡星辰君」


「僕を知っているのか?」


「ええ。アルゴルの中では結構有名人ですよ。あなた。あのドロースを倒してテーゲ星を解放し、地球に来たクスカを打ち倒した」


「……」


「テーゲ星を解放されたのはアルゴルの財政的に痛手でしたし、小物とは言えドロースやクスカはアルゴルの幹部だった訳ですから。しかも中学生の時に、それを成し遂げた。大したものです。ああ、そこのお嬢さんも知ってますよ。コルウス警視監の娘さん」


「あっそ」


 ベロニカは興味がない様な、素っ気なく答える。


「あら、結構傷つく答えですね」


「お前なんぞに愛想を振り撒くとでも思ったのか?」


「いや、全然」


「ちっ」


 ベロニカが舌打ちをする。


(星辰、応援は?)


(発信してるけど届いて無いみたい)


「密かに応援を読んでいる見たいですが、無理ですよ。この工事現場一帯に機械で結界を張らせていただきました。中から外に出ることも、外から中に出ることも出来ない」


(外にいるルベルか誰かが、その機械を破壊してくれる事を期待するしか無いな……)


「そう、うまく行きますかね? 星辰君」


「! お前はテレパシーが使えるのか?」


「いいえ。ですが、あなた方の考える事くらい分かりますよ」


(こいつ……。洞察力も高い様だな……)


 サエウムを(にら)みつけながら、星辰はほんの少しだが冷や汗をかいた。


「ちっ。面倒だ。サモン・ファミリア!」


 その時、ベロニカがファミリアを召喚した。


「待て、ベロニカ!」


「もう二人でやるしか無いよ! 大丈夫。私たちなら出来るって。トニト! あの敵のファミリアを破壊して」


「マスター。威力ハイカガイタシマスカ?」


「サンダー!」


「イエス。マスター」


 ベロニカのファミリア、トニトから(いかづち)が発生し、サエウムのファミリアを襲った。周辺に雷鳴が轟き煙が舞い上がる。


「フフ。なかなかやりますね。ですが、我がファミリアの能力は生物を石にするだけでは無く、石そのものを作り出すことも出来ます」


 爆煙が消えサエウムと彼のファミリアが見えてくる。しかし、ファミリアの前に石の壁が作り出されベロニカにファミリア、トニトの雷を防いだ様だ。その壁のおかげで彼にはダメージがない様だった。


「? あのお嬢さんがいない?」


 石の壁は崩れ(ちり)になって消えていった。

 サエウムは自分の前方を確認したが、彼の前には星辰しかいなかった。


「こっちだよ。ノロマ」


「!」


 そう、いつの間にか、サエウムから見て右横にベロニカがいた。彼女は素早くサエウムの右手首を掴んだ。


「こっちが本命だよ! 雷を直にくらいなよ」


 ベロニカはそう言うと彼女の体が光り輝いた。サエウムの体を雷が流れる。


「ぐ、ぐわああああ!!」


 雷が全身回った、サムエルが叫び声をあげる。


「いっちょあがり。ファミリアの能力はマスターも使える。ざっくり言えば今の私は雷人間なんだよ」


 ベロニカはそう言うとフフンと得意げに笑い、サエウムから手を離した。


「まあ、Aマイナス級と言っても私にかかればこんなもん。ねえねえ星辰見てた!」


 ベロニカは黒焦げになったサムエルを一瞥(いちべつ)した後、星辰の方を見て彼に向かって手を振った。


「! ベロニカ! まだだ、まだ終わって無い!」


「え?」


 星辰が叫ぶと同時にベロニカは何者かに顔を殴られ吹っ飛んだ。


「ぐ、ああああ!!」


 次にベロニカが吹っ飛ぶながら、叫び声をあげる。


「ベロニカ!」


 星辰はテレポーテーションを発動し吹っ飛んでいるベロニカを受け止められる位置にテレポートし、彼女を受け止めた。


「これは油断しました。思った以上にやるお嬢さんでしたね。素直に素晴らしいと褒めておきますよ」


 ベロニカを殴ったのは黒焦げになったはずのサムエルだった。彼はベロニカを殴り飛ばすと、こう言ってニヤリと笑った。



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