≪漫才≫キャンプ
ボケ・・・「ボ」、ツッコミ・・・「ツ」と表記しています
二人「どうも~」
ツ「ね、二人で漫才頑張っていこうと思うんですけど」
ボ「僕ね、将来の夢がありまして」
ツ「なんでしょう」
ボ「キャンプに行きたいんですよ」
ツ「将来の夢って程ではなくない?まあね、キャンプは楽しいですよ。一生に一度は経験したいですよね。じゃあさ、今キャンプやってみようよ」
ボ「いや今漫才中だろ」
ツ「漫才の中でやるって意味だよ!」
ボ「あぁ。あー、やっと着いた。船酔いしそうだったわ」
ツ「どこ行ってんだよ。無人島生活じゃないから。車とかでね、はい、着きました。まずは...」
ボ「キャンプファイヤーだな」
ツ「いやおかしいだろ」
ボ「あ、そうか。campfire」
ツ「発音の問題じゃねぇよ。まずテントね。テント張るのは正確にやらないと飛ばされたりしちゃうから、ちゃんとした手順と方法でしっかりやらないと...っておい、勝手に一人で進めるなって。今の話聞いてなかったの?」
ボ「いや、聞きながらやってた」
ツ「やるなよ。あー、ほらグチャグチャじゃん。最初からやり直しだよ」
ボ「どうも~」
ツ「そこからじゃねぇよ。ほら一緒にやるから」
ボ「できるの?」
ツ「任せろ。今まで何回も張ってきたからな。まず支柱を立てて、はいそっち持って。で、ここをしっかり固定して、上から被せて、これもしっかり固定...ん?なんかこのテント形変じゃない?」
ボ「そう?」
ツ「お前が持ってきたんだよな?」
ボ「うん。タージ・マハル型だけど」
ツ「お墓じゃねぇか!なんでこの中で寝るんだよ!」
ボ「いやツッコミどころそこじゃないだろ」
ツ「確信犯かよ!もう、普通のでいいんだよ」
ボ「ふぅ、結構大変だな」
ツ「あー、もう夕方か。夕飯作ろう」
ボ「じゃあコンビニ行ってくる」
ツ「雰囲気壊れる!ほらそこ、早く火つけて」
ボ「SNSで?」
ツ「炎上するな!」
ボ「はぁ、なんでさっきから怒ってるの?キャンプ楽しもうよ」
ツ「誰のせいだよ。じゃあ白米炊こう」
ボ「お米入れて、水入れて、ピッ。火にかける、と」
ツ「ん?今のピッってやつ何?」
ボ「炊飯器」
ツ「なんで炊飯器火にかけてるんだよ!」
ボ「いや、コンセントなかったから」
ツ「当たり前だろ!そうじゃなくて、飯盒で炊くの。ほら、あの黒い楕円形の筒!」
ボ「あぁ、あれね」
ツ「よし、それじゃあ炊いてる間にアレ作ろう」
ボ「アレ?」
ツ「キャンプでお米と一緒に食べるって言ったらあれだろ」
ボ「お好み焼き?」
ツ「関西か!ほら、白いご飯にかけて食べるアレだよ」
ボ「あぁ、あれか!玄米!」
ツ「特殊過ぎるだろ。カレーだよ」
ボ「あ、甘口でお願い。僕辛いの食べられないんだよね。いや、それじゃカレーじゃないだろ。カレーは辛ぇー!ってか。ハハハ!」
ツ「つまんないぞ」
ボ「辛口だな」
ツ「当たり前だろ!なんでせっかくの漫才中に親父ギャグ入れるんだよ」
ボ「はい、ごちそうさま。夜はやっぱりあれだよな」
ツ「そうだな。この辺りは明かりも少ないし、綺麗に見えると思うぞ」
ボ「楽しみだなぁ、肝試し」
ツ「待て。どこに二人で来て肝試しするやつがいるんだよ。驚かす側大変すぎるだろ。なんなら人多いし」
ボ「いや、人が多い中でも先回りして驚かし続けるメンタルを養うんだよ」
ツ「アスリートよりハードだな。違うでしょ、星空を見るの!」
ボ「なるほどね。でもさ、その前にやる事無い?」
ツ「やる事?」
ボ「ほら、ご飯食べたんだからさ、あれ磨かないと」
ツ「あぁ、歯磨きね」
ボ「はぁ?なんだよその答え全然面白くないな!歯じゃなくて笑いを磨け!」
ツ「お前が磨け。いい加減にしろ」
二人「どうも、ありがとうございました~」