教授の正体
「久しぶりだな、晴明。」
教授が晴明に向かって言った。
「まだ生きておるのか。」
晴明が言った。
「責任を果たさねばならないからな。」
教授が立ち上がって、晴明に近づいた。
「なぜ、死んだのだ?お陰でヤツも千年経った今も存在している。」
教授が険しい顔つきになった。晴明は黙っていた。
「まあ良い。こうしてお前がここに具現化されているから結果的には成功だ。晴明、我々に協力してもらうぞ。」
教授が言った。
「わしは今はこの主の式神だ。主の命令なしでは協力できぬ。」
晴明が勇太をチラッと見てニヤリと笑って言った。
「式神ですって?!そいつの?!」
ジルコンが金切り声を上げた。
「左様だ。そなた、何て格好をしているのだ。」
晴明は呆れた顔でジルコンに言った。
「勇太、晴明様を解放しろ。」
クォーツが険しい顔つきで言った。
『解放って…勝手に式神になってたんだし、どうすれば良いか分からないよ…』
勇太はそう思った。
『それに、金剛先生と晴明は知り合い?先生も千年も生きてたってこと?まさか…?!』
突然、勇太たちが入ってきたドアがバンと音をたてて開いた。
勇太は驚いてドアの方に振り向くと、あきと海斗と貴司と樹理奈が立っていた。
ドアの前に立っていた助手が黙って部屋の隅に移動した。
「みんな…」
勇太はみな来てくれて心強い気持ちになった。
「エメラルド?!何でここにいるの?」
樹理奈が驚いて言った。
「松下君がね、中島君が心配で後をつけようって。そしたら教授室に入っていったんだけど…なぜ金剛先生とルビーたちがいるの?」
貴司が勇太に聞いた。
「やっと、尻尾をつかめた。」
あきが言った。
「金剛先生が魔術界のボス、ダイヤなのよ。」
「えーっ!?」
勇太たちは驚いた。
「魔術修行が俺たちの試験に合わせて休みだったり、まるで俺たちのスケジュールを把握しているような感じがしていたのは金剛先生がダイヤだったからだな。文子先生がフラーレンってだけではなかったってことか。」
海斗が納得して言った。
「やっぱり、君は気づいていたんだな。」
教授はあきに言った。
「初めてこの研究室に来たときから違和感を感じてた。そしたら扉が開いた。それに、この研究室には私たちに向けての魔法陣がいくつも仕込まれていたわ。」
あきが言った。
「俺たちに向けてって?」
海斗があきに聞いた。
「金剛先生と文子先生の正体を気づかせにくくする術。試験前に魔術修行が休みになって疑問を持ち始めたあたりから数が増えたからほぼ確信に近かったんだけど、肝心のダイヤが尻尾を出さないし、五芒星のこともあったからなかなか探れなかったの。」
「ほぉ。」
晴明が感心したような声を上げた。
「何故、俺たちだったのですか?」
海斗が教授に聞いた。
「たまたまこの研究室への配属希望だったから俺たちが魔術師になるのに選ばれたのですか?」
教授は海斗をまっすぐ見た。そして、5人を見渡した。




