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勇太奪還

「わしは構わないぞ。」

勇太がニヤリと笑って言った。

ルビーは驚いて、

「そんな…なぜ?」

と勇太に聞いた。

「わしは1度死んでいるのだ。せっかくあの世でのんびりしていたのにあやつに呼び戻されて。生あるものには必ず死が訪れるものだ。それが自然の摂理であろう。それをねじ曲げてまだ生きているとは。そなたもあやつの配下となったか。」

勇太はジルコンを見て言った。

「晴明様…私は… 私はずっとあなた様の配下ですわ!」

ジルコンがまた泣き出した。

クォーツとアメジストも姿を現した。

「晴明様。」

クォーツたちも腰を下ろし、頭を下げた。

「そなたたちもか…あやつはどうした?儀式の時にいたと思ったのだが…」

「えっ?!ダイヤいないの?」

アメジストがルビーに聞いた。

「えぇ。呼び出しがかかったとかで。」

「晴明様が復活されたというのに!式神でも使えばいいものを!」

泣いていたジルコンが怒って言った。

「あの人からの呼び出しなの。あの人に対しては式神を使っちゃいけない決まりなのよ。」

ルビーがジルコンに言った。

「話を戻すけど、中島君の体を返してくれるのよね?」

樹理奈がルビーたちの話に割って入った。

「えっ?!何?!どういうこと?!」

アメジストが話の流れが分からず、ルビーに聞いた。

「…女か…良い女だな。」

勇太は樹理奈を見てニヤリと笑った。樹理奈はビックリして後退りした。

「そう構えるな。お前たちにこの体を返してやっても良いが、わしから力ずくで取り返してみろ。」

勇太が言った。

「どういうこと?」

貴司が聞いた。海斗も樹理奈も理解できないでいた。

「試しているのね。私たちを。」

あきが言った。

「そういうことだ。」

勇太がそう言うと、勇太の姿が平安貴族の装束を着た、勇太よりも少し背が高く、目が細い男に変わった。

「あれが安倍晴明?」

「みたいだな。野上、取りあえず攻撃したらいいか?」

海斗があきに聞いた。あきは少し考えてから、

「攻撃は私、防御は原田さんにお願いするわ。松下君は中島君に呼びかけて。大林君は松下君の補助で、中島君の精神に松下君の声を届かせて欲しいの。」

と言った。

「分かったわ。」

と樹理奈は言ったが、

「それだけで良いの?」

と貴司は少し不安そうに言った。海斗も納得していない様子だった。

「戦いは私の方が慣れてるし、私が中島君の魔力を削って松下君が中島君を起こした方が憑依を解きやすいと思う。それに、ダイヤたちが魔術界の掟スレスレのことまでして復活させたかったのを相手にするから。考えなしで攻めるのは無謀ね。」

あきが冷静に言った。貴司と海斗も納得した。

樹理奈はブルッと震えた。

「大丈夫…武者震いよ…」

海斗と貴司も緊張で顔が強ばっていた。

「原田さんは松下君たちの防御だけで良いわ。私は自分で何とかするから。それに、オパールが応援を呼んでくれてるって言ってたわよね?それまでの間だけ頑張れば良いだけよ。たぶん向こうは私たちの命まで奪おうとはしないから。力抜いて。」

あきが3人に言った。

「…冷静だな。」

海斗があきに言った。

「私が冷静じゃなきゃ中島君は助けられないでしょ?」

「…そうだな。大林、原田、よろしく頼むな。」

海斗は貴司と樹理奈に言った。

「もちろん!またタイミング良くモリオンに教わったところだし。」

貴司が言った。樹理奈も決心してうなずいた。

海斗たちのやりとりを眺めていた晴明がクォーツたちに、

「そなたら、手を出すでないぞ。」

と言った。

「さて、どうするか。」

晴明は自分をにらんでいる4人を見てニヤリと笑った。

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