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ロードクロサイト

「もう、金縛り解けてるわ。」

あきが勇太に言った。勇太はさっき、玲夢ににらまれてから体を動かせないでいたがもう動けるようになっていた。

「ありがとう、野上さん。」

勇太はあきが助けてくれたと思ってお礼を言ったが、あきは首を横に振った。

「ロードクロサイトに攻撃したときに解けてしまったのよ。」

「ロードクロサイト…」

聞き覚えがある名前だった。

「そうだ。扉が開いたときの。確か、twelvesの…ガーネットの代わりで…アメジストはロードって呼んでた…」

貴司が言った。勇太も思い出した。

馨子と呼ばれた女は『扉の空間』に初めて召喚された時に会ったロードクロサイトという灰色の袴を履いた魔術師だった。

「まさか馨子がロードクロサイトだったの?!ガーネットの代わりに扉を開けたっていう?!」

玲夢はまたロードクロサイトに攻撃した。ロードクロサイトは魔法陣で玲夢の攻撃を吸収した。

「玲夢!もう止めて!お願い!松下君を解放してあげて!」

樹理奈は涙目になって叫んだ。

玲夢はキッと樹理奈をにらんだ。すると、玲夢の手から何も出ていないのに樹理奈が電気のようなものに包まれた。

「キャア!」と叫び樹理奈はガクッと肩を落として座りこんでしまった。

ロードクロサイトが樹理奈に駆け寄り、体を支えた。

「大丈夫?体が麻痺しているだけみたいね。」

ロードクロサイトが樹理奈の顔を見て微笑んだ。樹理奈の目から涙が溢れた。

「雅子のお友達なのね。私は女学校の時に雅子と出会ったの。あなたたちと一緒で扉が開いて魔術師の修行をしていたわ。でも、あの子はもう吉村雅子でも紅玲夢でもないの…金属中毒(メタル ポイゾニング)のリチウム…敵の魔術師なの。」

勇太と貴司はロードクロサイトの話が聞こえて、驚いてロードクロサイトを見た。金属中毒(メタル ポイゾニング)という言葉を初めて聞いたからだ。

「雅子、突然姿を消したからもしかしてってずっと思ってたの。そしたら敵側に堕ちてしまっているのを最近知って…生きていたのはうれしかったけど複雑なの。」

「…まさか…敵だから…殺してしまうの?」

樹理奈は泣きながらロードクロサイトに聞いた。ロードクロサイトは首を横に振って、

「私たちは殺すのはご法度なの。あちらは違うけど。」

と樹理奈に言った。

「野上さん。」

勇太はあきをまっすぐ見て、

「海斗、助かるよね?」

と聞いた。

「こちらが圧倒的に有利よ。」

あきが答えた。

「俺も、海斗を助けたい。何か俺に出来ることがあれば…」

勇太が言いかけると、

「僕も松下君を助け出したい。」

貴司も言った。

「私も」と樹理奈が言いかけたが、ロードクロサイトに制止された。

「あなたはまだ体の自由が利かないわ。私がついてるからみんなに任せましょう。」

「どいつもこいつも、私のこと馬鹿にして!」

玲夢はかなり怒っていた。海斗の周りの魔法陣が強く光だした。

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