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不老不死の選択

その夜、勇太はベッドに寝転がって今日一日の出来事を思い返していた。

芸能人が覚醒剤で逮捕され、彼らを逮捕した警察はjewelsの1人だったこと。

全ての属性を習得すれば体の時間をコントロールできるようになるーつまり、不老不死になれるが勇太たちは国家試験後にそうするか選択しなければいけないこと。

そしてー


夕方、勇太、海斗、あきの3人が魔術界の食堂に行った時だった。

貴司と樹理奈はすでにいなかった。

半透明状態のペリドットとモリオンが座ってお茶を飲んでいたので話しかけた。

「よう。人間界はスゲーことが起きたってな!」

ペリドットが言った。

「薬物による脳への呪いの緩和…気づくべきだった。闇との対立に気をとられすぎていた。」

モリオンが悔しそうに言った。

「あのさ、聞きたいことがあるんだけど…」

勇太が口を開いた。


『まさかオパールだったなんて…修行中に原田さんのこと口説いてたって聞いてたけど…オパールの本心は違った…』


ペリドットとモリオンから大学の周り広範囲に樹理奈をマスコミの取材や野次馬から守るための結界をはったのはオパールだと聞いて勇太たちはかなり驚いた。

勇太と海斗はモリオン、あきはターコイズかホークアイだと思っていたので予想外だったからだ。

「コスモオーラの代わりにクリソコラを見守っていたかったんだろう。あいつは…師匠のタイガーアイ、友人のコスモオーラ、そして人間界の家族や友人を戦で亡くしてるからな。ペリドット、お前が死んだ時もオパールは相当落ち込んでたんだぞ。」

「俺、一応まだ死んでないけどな。オパールはコスモオーラとも仲良かったからな。樹理奈ちゃん…クリソコラが魔術修行に選ばれた時は驚いてた。で、本気で師匠をしたかったそうだ。だから、ナンパという名目でクリソコラに近づいたと言っていたな。まぁ、フローライトの師匠はエメラルドの方が良いと思ったのも事実だけどな。」

その後、勇太たちはペリドットとモリオンに年をとらず、不老不死状態になることを選んだ理由を聞いた。

ペリドットはお文こと文音を守るために人間界での自分の存在をなかったことにし、魔術界で暮らすことを選んだことは勇太も知っていた。

「年をとったら体が動かしづらくなるからなー。それに…死ぬまで見守ってたかったって気持ちもあった…」

ペリドットは赤面しながら答えた。

「俺は研究を続けたかったから。老化による思考の低下は研究成果に結びつかないって思って。さすがに、100歳200歳じゃ研究できないだろ?」

モリオンは人間界でも魔術界でも研究をしている。それを継続させるために不老不死状態になることを選んだ。

『なんか…うーん…参考にならないなぁ…』

モリオンも理由を聞いて勇太はそう思っていたが、

「実際、jewelsは単純な理由で不老不死になったヤツが多い。女だったら『いつまでも若いままでー』って理由がほとんどだ。」

モリオンが言った。

「もうクォーツから言われたのか?体の時間を止めるかどうかって。」

ペリドットが聞いた。

「違うけど、ホークアイって人に会って人間界と魔術界を両立してること聞いてさ。ちょっと悩んでるんだよなー。」

海斗が言った。

「あぁ、アイツに会ったのか…そうか!ホークアイは今回の事件の担当なんだな。まぁ、アイツぐらいだ。本当の意味で人間界と魔術界との生活を平行しているのは。若いままの警察じゃ、取り調べで犯人になめられるってのもあるだろうしな。」

モリオンが言った。


『俺は…この後、選ばなきゃいけない…jewelsとして今の年のままで生活するか…それとも、ホークアイのように…年をとりながら人間界で仕事して、魔術界では今の年のままのjewelsでいるかどうか…』

勇太はベッドの上でずっと考えていた。

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