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一條の介入

「魔術界と一條学園との関係を聞きたいんだ。」

勇太が言った。

「jewelsは“一條”ってつく学校や道場出身が多いんだ。これは偶然ではないはずだ。それにモンドが消える前に魔術界と一條との関係を匂わせていた。」

海斗が言った。クォーツは黙ったままだったが、5人は真っ直ぐクォーツを見ていた。

「魔術界と一條との関係を気づかせないようにする術をかけていたのはルビーだったか…その呪いを跳ね返せるようになったのはお前たちがルビーよりも上のjewelsになったということか…」

ようやく、クォーツが口を開いた。

「察する通り、一條家が経営する学びの場から魔術修行する者を選抜していた。」

「それはいつから?」

貴司が聞いた。手にはメモの用意をしていた。

「師匠が怨霊に憑かれた彦吉に闇と金属の力を奪われた後だ。彦吉、つまりモンドは奪った力を使って仲間を作った。それが、シルバーとコッパーだった。さらに、モンドは仲間を増やすとこちらも太刀打ちできなくなってしまう。そこで、師匠と晴明様が話ていた時だったー。」

クォーツが話始めた。


「さて、優秀な弟子を得るためにどうすればいいのか。」

朝廷の大きな屋敷の庭の端で教授と晴明が話していた。

「清太、小春、晴明の弟子の風子に信子、それと紅玉、青玉、翠玉。この者たちで奴らと対峙できるかどうか。」

「弟子共は五分五分。そなたの創った精霊たちはまだ童子の姿だ。決して容易ではないの。」

晴明がそう言った時、2人から少し離れた茂みから男が顔を出した。

「優秀な若者を欲していると見えます。」

その男も教授たちと同じ烏帽子を被った装束姿だった。

「ほぅ、そなたは。」

晴明はその男を知っていた。

「一條(はじめ)と申します。我が学問塾の生徒はいかがでしょう。家柄関係なく学びに意欲のある者のみがおります。」

創はにこりと笑って言った。

「一條…学びの家柄だと聞いたことがある。生徒を提供する代わりに何か要求はあるのか?」

眉間にシワをよせて教授が聞いた。教授は一條の提案してきたことに何か裏があるのではと疑っていた。

「富も名誉もいりません。ただ1つお願いするならば我が家が続くことですかな。」

教授は創の言葉に驚いた。

「我が家は決して位は高くなく、貴族のような裕福でもないです。ただ、私が築き上げた学びに長けた家柄がずっと続いてくれればと願うのみです。」

数日後、創が寄越したのは10代後半の2人の青年と20代前半の1人の女性だった。

青年たちの名は寅次郎と鬼助ー後の、タイガーアイとオニキス。女性は亜弥子ー後のパールだった。

寅次郎と鬼助は優秀で、すぐに魔術を取得した。

特に寅次郎は土属性、鬼助は無属性に秀でていた。

「学びに意欲のある者、その者たちの吸収はすごいな。」

魔術を教えていた教授は2人の魔術師としての成長にただただ驚いていた。

亜弥子も修行に励んでいたが、彼女が修行を受けるのには目的があった。

「金剛の魔術の秘密が知りたい。持ち帰って来い。」

亜弥子は一條家の女中で、主の創からの命令だった。

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