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内通者は

4人は勇太の話をだまって聞いていた。

「モリオンたちはその裏切り者の正体を分かっているってことだよね?」

勇太が話終えて貴司が口を開いた。

「でも、中島君を襲ったのはジルコニウムが半分正解ってどういう意味なのかな?」

樹理奈も言った。

「分からないけど、晴明やペリドットも分かっているみたいなんだ。なぜか教えてくれないけど。」

「話だけ聞くとジルコニウムが勇太を襲った犯人で、金属中毒(メタルポイゾニング)の内通者ってなるけど、もともとジルコニウムって金属中毒(メタルポイゾニング)だよな?魔術界に潜入してたってことか、あるいは…」

海斗が考え込んでいた。

「もしかして、ジルコンのふりしてたとか?ジルコンとジルコニウムは双子だし、同じ格好をされても見分けがつかない。」

あきが言った。その時、勇太は思い出した。

「晴明だ!晴明はこの前、ジルコニウムのこと『風子』って呼んでた!風子はジルコンのことだ!」

勇太は頭の中がパアッと明るくなった気分だった。

「ジルコンの本名は『風子』、ジルコニウムの本名は『信子』…確かにそうだ!それに晴明は2人の師匠だ。見分けがついているのは当然だよね!中島君、スゴいよ!」

貴司はメモをパラパラめくりながら言った。

「でも、証拠は?それだけじゃ決め手にはならない。」

海斗が言った。みな黙ってしまった。

「ガーネットが俺を狙うのが正体を明かしているようなものだって言ってた。」

勇太が言った。

「でも、ジルコンは晴明の復活を望んでいたのに、晴明に正体がバレるから中島君の命を狙うって矛盾してるよね?」

樹理奈が言った。

「そういえば、野上さんはジルコンに師匠してもらってたことあるんだっけ?」

貴司がまたメモをパラパラとめくりながら言った。

「うん、無属性はね。でも、よく知らないかな。淡々と修行してたって感じだったし。特に仲良くなったわけでもないし。」


帰宅した勇太は相変わらず筋トレをしているペリドットとパソコンをしている晴明を横目に椅子に座った。

貴司から借りたメモを鞄から取りだし、読んでいた。

「魔術界にいるときに暇だったからクォーツに色々話してもらったんだ。魔術界のこととか、師弟関係とかも。後、図書館(ライブラリー)で本を借りてもらったり。内緒で禁書も見せてもらったよ。」

昼間、貴司が話してくれた。

「わざと見せてくれてたとしたら?」

あきが言った。

「晴明とペリドットが勇太にあえて教えてくれないのは自分達で見つけろってことなのかもな。もしかしてヒントをくれているかも。」

海斗も身をのり出した。

『よくまとめてるな…』

貴司のメモは一見ただのメモ帳だが、開くと本のように分厚くぎっしりと色々なことが丁寧にまとめて書かれていて、

「モリオンに製本を勧められてるけど、こんなんじゃ…」

貴司は謙遜していたが、

『いや、マジで製本して1冊欲しいかも…』

勇太はゆっくりと貴司のメモを読み始めた。


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