表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/286

海斗の過去ー大学での変化

入学直後、たまたま席が隣だったのが勇太だった。

「松下君はサークル入るの?」

「考えてないな。」

どこにでもいそうな、普通なヤツーそれが勇太に対する第一印象だった。

勇太は他にも彬や晋也、賢二とも仲良くなっていて、勇太を介して海斗も彬たちのグループにはじめはいた。

「松下、合コン行くか?今度は看護学科の子だぜ?」

「じゃあ行く。」

「南と中島は?」

「俺はイイ。」

「俺も…遠慮しとく。」

「じゃあ他で人数集めないと。」

海斗は彬と晋也とよく合コンに行った。いつも勇太と賢二は断っていた。

そこで出逢った女の子と付き合ったり一夜限りの関係だったり、海斗は大学に入ってからも荒れていた。

ある日、初めてフラれた海斗はムシャクシャしながら講義室に入った。

「松下君、こっち。2限目のプリント取っておいたから。」

勇太が海斗にプリントを渡した。

海斗は2限目は他学部の彼女と一緒にいたのだが、そのあと突然フラれたのだった。

「…サンキュー。」

講義が始まり、海斗は大人しく座っていた。

「はい、これ。」

勇太からガムを渡された。

「俺、ちょっと眠くてさ。」

勇太ははにかんでいた。

『コイツには俺がどう見えているんだろう。』

海斗はふと思った。

『遊び好きの女ったらし…ってとこかもな。それでも…何も言わずに隣に座らせてくれるってどんな心境なんだ?』

海斗は今までの勇太の行動を思い起こしていた。

『なにも考えていないだけか…それだけじゃない、コイツはただ根が純粋なんだ。俺は…コイツと友達で良かったんだろうか…』

家に帰ってもずっと考えていた。

海斗は勇太と話して勇太の兄も医学部だと知った。

「中島も医学部志望だったのか?」

「俺は違うよ。第一、成績的にもムリだし。兄貴はきっとちゃんと医師になりたいって思って医学部に行ったんだと思うんだけど。」

自分はなにも考えずに医学部に行こうとしてたんだな。一度挫折したぐらいでグレてしまって…海斗はようやく、自分が親への子供じみた反抗を続けていただけだと思った。

『コイツのお陰で気づくことできた…』

海斗は勇太に内心感謝していた。

相変わらず付き合ったり別れたりを繰り返していたが、海斗は勇太とよくしゃべるようになり、自然と勇太と2人でいることが多くなった。

『何か悪いかな…勇太は南と仲良かったし。』

自分が勇太と賢二を引き離してしまったような気がしていたが、勇太は変わらず賢二たちとも接していたので、海斗は少し安心していた。

「ねえ、海斗。海斗といつも一緒にいる中島君。地味過ぎじゃない?海斗の友達に相応しくないわよ。」

紅玲夢と名乗っていたリシアにそう言われた時、海斗は初めて付き合っている女に怒りを覚えた。

「俺の友達関係に口出しすんじゃねーよ!」

そう言って玲夢と別れた。

『俺、勇太に惚れてるのか…?友達として…本当に大切な友達…』

冷静になった海斗はそう思っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ