表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/286

海斗の過去ー高校~予備校

「お前にずっと会いたかったんだ。魔術界にはもったいない才能の持ち主だと。」

ニッケルが言った。

「こちらに来ないか?」

ニッケルは海斗に手を差し出した。

「行くわけないだろ?何言ってるんだ?」

海斗は構えた。

「お前には我々の王になる素質がある。王になればお前が欲しかったものが手に入るんだぞ。」

ROOK(ルーク)!」

海斗がニッケルに向けてROOK(ルーク)を放った。

ニッケルに直撃したと思われたが、

「ほう、なかなか。対ROOK(ルーク)用に開発した盾もボロボロだな。」

ニッケルの手にはいつの間にか魔法陣が描かれた盾があったが、ボロボロに崩れていった。

「ちっ!」

海斗はまた構えた。

「お前が欲したものを知ってるぞ。プラチニウムー野上あきだろ?」

海斗は構えを緩めなかった。

「いつの間にか親友に取られてしまって、お前もかわいそうな男だ。お前が王になればプラチニウムの心も体もお前のものだ。シルバーが王になるのに反対のヤツが多いんでな。俺もシルバーが王になるのに正直不満がある。」

海斗がROOK(ルーク)を放とうとした時だった。

海斗の足元に魔法陣が現れ、不気味な黒い光りを放った。

「しまった!(トラップ)か?!」

「お前たちを呼び止めた時に仕掛けておいた。さぁ、お前の心の闇を、お前の今までの記憶を見せるんだ。」

海斗は黒い光に包まれ、飲み込まれた。


海斗は都市の中高一貫の進学校出身だった。

高校でも成績優秀で、国公立の医学部志望だった。

父親は医師で代々病院を経営していて、兄も3浪して私立の医学部に進学した。

両親からは海斗も医学部に進み、医師になるのが当然と思われていて、海斗もそのことに何ら疑いを持っていなかった。

受験日当日、海斗はインフルエンザにかかり欠席し、第一志望校しか願書を出していなかったため、浪人生として予備校通いをするかとになった。

父親には罵倒され、浪人時代も今も遊び呆けている兄の姿を見て海斗は自分の進路に少しずつ疑問を持つようになった。

予備校に通い出した海斗はそんな父親たちに反発するかのように遊びだした。

髪を派手に染め、夜な夜な仲間や女と遊んでいたが、成績は維持されていたので誰も海斗を注意しなかった。

だんだん荒れていく海斗を見て、予備校の講師が海斗にある大学のパンフレットを見せた。

「松下、滑り止めに薬学部なんかどうだ?ここ、一條学園大学は来年度薬学部ができるそうだ。」

薬学部なんて医学部に行けなかったヤツが行くんだろーはじめ海斗はそうバカにしていたが、次第に医学部進学への熱意をなくし、父親への当て付けの意味もこめて、一條学園大学薬学部だけを受験した。

海斗は余裕で合格した。

医学部を受験していなかったので父親はカンカンに怒ったが、母親がなんとかなだめ、海斗は一條学園大学へ入学することになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ