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女王

勇太は後ろから刃物で刺されたのだと分かり、急いであきの無事を確認しようと振り返った。

あきは剣を持っていたが、勇太が振り向いた反動で剣から手を離した。

「あき…?」

勇太は状況が飲み込めないでいた。

勇太を刺した剣から電流のようなものが流れ、お陰で痛みを感じなくなったが勇太はその場で手をついて座りこんでしまった。

あきが冷たい目で勇太を見下ろしていた。

「…あき?何で?どういうことだよ?」

勇太はあきに後ろから剣で刺されたことがまだ信じられずにいた。

男が下品にゲラゲラと笑いだした。

「ギャハハハ!お似合いだぜ!お前ごときが女王の相手が務まるか!」

男は勇太には刺さった剣を抜いた。その反動で勇太は前のめりに倒れた。

「さぁ、行こうか。俺の女!女王プラチニウム!」

男があきの腰に手を回したのが見えたが、出血がひどいせいで勇太の意識は薄れてきた。

『女王…プラチニウム…あきが…?どう…して…』

『勇太ー!しっかりしろー!』

ペリドットの叫び声が頭の中で響いたが、勇太は意識を失ってしまった。


「原田さん、代わるよ。」

「ううん。大丈夫。それに向こうに行きたくないし。」

「…そうだよね。」

「私…まださっきの話、信じられないの…」

「分かるよ。」

「中島君の傷口から微量の白金が検出されたって言われても証拠にならないと思うの…式神たちだってちゃんと見てなかったんでしょ?」

「それでジルコンがまた怒ってるって。ジルコニアも欺かれていたらしいから。」

「でも、あきちゃんは…どうして…突然いなくなったの…?」

「敵に…寝返ってしまった…から…」

「どうして!なんで…魔術抜きで…友達になれたと思ってたのに…」

「僕も…やっと前の野上さんに戻ったと思ってた。でも…」

「原田、大林。勇太の様子は?」

「まだ意識は戻ってないけど容態は安定してるわ…」

「そっか。俺はモリオンと話してくる。クォーツは今、オパールと揉めてて話にならなくてさ。ダイヤも含めて他もゴタゴタしてるからまともに話せそうなのがモリオンぐらいなんだけどなかなか捕まらなくて。」

「中島君の傷のことで何か聞いてる?」

「何かって?」

「ホテルの外で中島君の手当てした時に気になってたんだけど、木属性で応急処置されたような痕跡があって…中島君が一命をとりとめたのもそのおかげじゃないかって思って。でも、中島君は木属性を習得も修業もしてるって聞いたことないし。あきちゃんも…」

「きっ、木属性の応急処置って?」

「多分『癒し草』と『超スタミナニンニク』で止血と体力維持をしたのだと思う。」

「その辺のことは傷の手当てをしたエメラルドとラピスに会ったら聞いてみる。じゃあ、勇太のことよろしく。」

「…じっとしてられないんだね。松下君も。本当はめちゃめちゃ心配なんだろうけど。」


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