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待ち伏せ

昼休憩に『路傍園』でみなで昼食を食べていた時、店にモリオンが入ってきた。

「おっ、みんなお揃いで。」

モリオンはあきと樹理奈が並んで座ってるソファーに座って、自分もラーメンセットを注文していた。

「今日は奢れないから。こないだの『蒼い石』の分が生活費に直撃してしまって。」

モリオンが言った。

「あき、ダイヤから頼まれてたヤツだ。腕につけとけ。

モリオンは隣に座っているあきに革ひもに透明なガラス玉のようなものが通しているブレスレットを渡した。

「お前の中の闇魔力核(ダークコア)を監視するためのものだ。闇魔力が検知されたらダイヤが持っているモニターにアラームが鳴るようにしてる。」

「へぇー。」

貴司は感心してあきがはめたブレスレットを眺めていた。

「5年も闇魔力核(ダークコア)の力を抑えていた実績があったから拘束されずに済んだんだ。これはかなりすごいことだな。正直、研究させてもらいたいんだが、人体実験は禁止されてて。もし何か異変を感じたらすぐにダイヤと連絡を取れ。俺ができるのはここまでだ。」

「ありがとう。」

あきがモリオンにお礼を言った。

「本当に拘束する気だったの?」

樹理奈がモリオンに聞いた。

「少なくともクォーツは拘束する気満々だったな。でも、ダイヤがあきの中の闇魔力核(ダークコア)はあきの力に負けたと判断したから何とかクォーツを静めたってとこだ。それに、晴明も予め気づいてたってのもあるけどずっと余裕そうだったってのも気になるしな。つまり、一応はお前は危険ではないと判断された。」

モリオンの言葉に勇太たちは安心した。

「それで、俺も4月からお前たちの研究室に入ることにした。」

「本当!?」

貴司は立ち上がって喜んだ。

「今日はその報告も兼ねて来たんだ。食ったら帰るわ。他のjewelsたちにも説明しなきゃいけないし…メールか…ターコイズからか…会いに行くか。」

モリオンはラーメンセットを平らげた後、自分の分だけ会計を済ませて出ていった。

その後、いつものように研究の続きをした。

夕方きりの良いところで終えた後、勇太が校舎を出ようとした時だった。

「中島君。」

自転車を押したあきが校舎前に立っていた。

「野上さん…」

あきは勇太が研究室を出る30分前に研究室を出たのを勇太は見ていた。

「帰るの?」

「うん、そうだけど。」

勇太とあきは2人並んで歩き出した。

『野上さん、さっき帰ったはずじゃ…もしかして、待っていたとか…』

勇太は顔が赤くなったような気がしてあきの顔を見れなかった。

「今日はありがとう。お礼、ちゃんと言いたくて。」

「う、うん。良かったよ。」

しばらく2人は黙って駅に向かって歩いていた。

勇太は通りすぎる学生たちにジロジロ見られているように感じた。

『俺たち、どう思われているんだろ…カップルとか…?』

勇太はさらに緊張してしまった。


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