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クォーツが走っていく先にはサファイアが立っていた。

サファイアの横にはサファイアの背丈の2倍もある黒い球体があった。

「サファイア、それは…」

クォーツが球体に近づいた。

勇太もクォーツの後に球体に近づいていった。

「野上さん…?!」

赤い玉の数珠がぐるぐる巻かれた球体の中心にあきが浮かんでいた。

あきは眠っているように目をつぶっていた。

あきの周りには黒い煙のようなものが取り巻いていて、それ勇太たちが感じたが闇属性魔力の正体だった。

「どういうことだ!?なぜあきから闇属性魔力が出ているんだ?!」

クォーツが声を荒げてサファイアに詰め寄った。

サファイアは黙っていた。

「今の何?!えっ、あき?!」

ルビーと海斗も来た。

「勇太、どうなってるんだ?」

海斗が勇太に聞いたが、

「俺も何が何だか…」

と勇太は首を振った。

エメラルドと樹理奈、モリオンと貴司も集まってきた。

「うそ…これって…」

エメラルドはあきを見て口を手で覆った。

「闇属性魔力…だな。あきから出ているのは間違いなさそうだ。これはそれを封じてたものか…」

モリオンが球体を巻きついている赤い玉の数珠を指差して言った。

「いくつか欠けている。それが原因で封じてた魔力が溢れでたが、残りの数珠玉がそれを抑えている状態…と言うことか。」

モリオンはそう呟くと勇太をジロっと見た。

勇太はなぜモリオンが自分の方を見たか分からなかった。

「サファイア、あきが闇属性を持っていたこと、知ってたのか?」

クォーツがサファイアに言った。サファイアはまだ黙っていた。

「おい!知ってたのか?!なぜだ!なぜ報告しなかった?!なぜ、あきは闇を?闇魔力核(ダークコア)は?」

クォーツが声を荒げ、サファイアの胸ぐらを掴んだ。

「クォーツ、サファイアを責めないで。」

ルビーがクォーツを止めに入ろうと、クォーツの腕を掴んだ。

「私もね…もしかしたらって思ったんだけど…あきから笑顔が消えたあたりから…でも闇の魔力を感じたことなくて…」

あきから笑顔が消えた…それは友人を亡くした後のことかと勇太は思った。

「つまり、サファイアもルビーもあきが闇属性魔力を有していることは薄々気づいていたということか。」

モリオンが言った。

「気づいていたというより…あくまでも予想の段階だったし、信じたくもなかった。」

サファイアがようやく口を開いた。

「それに、あきには闇属性に堕ちる条件満たしていたかということも疑問だった。」

中級魔術師アンカット以上』、『属性魔術を習得できていない』、『身近な人間を亡くした』ことが闇魔力核(ダークコア)を入れられる条件だと以前ペリドットから聞いていた。

「友人を亡くしたんでしょ?確か。あきの実力は問題ないし、サファイアとの修行中にヤツがあきに接触したか…ガーネットが師匠をしていた時なのか…」

エメラルドが言った。

「いずれにせよ、水属性を取得している最中かその前ってことなのよ。」

ルビーが言った。

「じゃあ、サファイアが気づかなかったのはなぜだ?!お前ほどの魔術師がだ!」

クォーツはまたサファイアに詰め寄った。

エメラルドがクォーツとサファイアの間に入っていった。

『ひょっとして、ペリドットの言っていた野上さんの秘密の1つって…このことなのか…?』

勇太は球体の中で眠ったように目をつぶって動かないあきを見て思った。

勇太たち4人はどうすることもできないので集まってお互いの顔を見合わせていた。

ふと、あきの球体から手のひらほどの白く光る球体が現れてふわふわと勇太たちの元へ飛んできた。


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