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海斗と貴司の攻防

「じゃあ、死んでもらうぜ!」

マンガニーズがそう言い終わらないうちに、貴司の足元から赤みがかった銀色の金属の槍が勢いよく生えてきた。

「うわっ!」

貴司は間一髪で槍をかわしたが、勢い余って後ろに倒れてしまった。

「大林!」

「大丈夫…!当たってないよ!」

海斗は手を広げ、マンガニーズに向かって手を振りかざした。

海斗の手から水の玉が何十発とマシンガンの様にマンガニーズに向かって放たれた。

「おおっと。水属性か。」

マンガニーズは金属の盾を目の前に作り、防御した。

その間、貴司は立ち上がり、構えていた。

海斗の攻撃が止むと、マンガニーズは金属の盾を消し、

「おいおい。この程度かよ。」

と嘲笑った。

「まだだ!」

海斗は手から火の玉を出し、マンガニーズに向かって投げた。

「その程度の火…」

マンガニーズに向かった火の玉はマンガニーズに近づくにつれて大きく巨大化した。

「ちっ!」

マンガニーズは想定外の攻撃に慌てて飛んで火の玉を避けた。

「今だ!」

ROOK(ルーク)!」

海斗の合図で隙ができたマンガニーズに貴司が指指すと、マンガニーズの足元にROOK(ルーク)の魔法陣が現れて、爆発した。

「やったか!?」

海斗が目を凝らしてマンガニーズの安否を確認しようとした。

「雑魚のくせにやるな…」

海斗たちは驚いて振り向くと無傷のマンガニーズが後ろに立っていた。

「この前の野上あきと同じことをしてくるとはな。」

マンガニーズは金属のマンガンを操るため、マンガニーズの金属の壁の正体はマンガンだった。

以前、あきは氷でマンガンの壁を酸化マンガン(IV)に変え、過酸化水素の霧を発生させて、酸化マンガン(Ⅳ)を触媒にして酸素を発生させてルビーの火属性の攻撃を強化していた。

今回、海斗はそれと同じことをしたのだった。

海斗は術を発動させようと構えたが、マンガニーズの拳が海斗の頬に命中し、海斗は倒れてしまった。

「松下君!」

貴司は青ざめて立ち尽くしていた。

「さて、標的を殺す(やる)とするか。」

マンガニーズの冷たい視線が貴司をさらに凍りつかせた。

「おい。うちの生徒に手を出すとは。それなりの覚悟ができているのだろうな。」

マンガニーズが驚いて声のする方へ振り向いた。

「お前は!?」

「金剛先生…」

貴司は起き上がろうとしている海斗の方へ駆け寄った。

「ダイヤ…とうとうお前が出てきたか。」

マンガニーズは構えながら後退りした。

「松下君に大林君。なかなかの共闘だった。後は私が始末しておこう。」

教授は海斗たちに笑いかけた。そして、マンガニーズに向かって手を振りかざした。

ROOK(ルーク)!」

マンガニーズの足元に大きな魔法陣が現れたかと思うと爆発した。

「ちっ…」

マンガニーズは避けようと空中を飛んだが、空から光の槍が飛んできて、マンガニーズを刺した。

「ぐぉ…」

マンガニーズはヨロヨロと地面に落ちてきた。

教授が槍に手をかざすと槍は鎖に変化し、マンガニーズを拘束した。

「大丈夫。これは闇属性魔術を封じる術だからね。」

教授はマンガニーズがさっきまで槍が刺さっていた部分を海斗たちに向けて指さした。

服も傷ひとつなく、血が出た後もなかった。

海斗たちは呆然と教授とマンガニーズを見ているだけだった。

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