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探偵法  作者: 冷凍レモン
1章
2/5

それぞれの始まり

6月の蒸し暑い空気で目を覚ます。Deective National Agency の頭文字をとってDNA。今の日本の治安は警察にかわり彼らが行っている。俺もDNAに所属する探偵の一人だ。

僕は独身、もちろん彼女なんていないため、組織の提供する安くて小さな部屋に住んでいた。仕事の都合上ほとんど家には帰らないためもはや寝るためのスペースと言っても過言ではない。ふと枕元に置いてあるスマートフォンが点滅しているのが目に入る。これも組織から支給されたものなのだが、盗撮用のアプリなんかが入っている。仕事のメールなんかもこれに届きめったなことがない限り事務所に言ったりはしない。一般的な事件だけでなく今まで行ってきた浮気調査などの依頼も引き受けるために、プライバシーを守れとのことで依頼人との接触は一部の人間に任されている。そんなわけで寝ぼけた頭でふらふらする意識を何とか覚ましてメールを確認する。

 最初はいたずらかな、なんて思ってしまった。見覚えのないアドレスにタイトルは緊急招集。内容は本部への招集だった。かつての。警察組織と同じように俺たちにも階級のようなものがつけられており、本部へ行くことのできるのはほんの一握りのエリートだけだ。今まで本部になんて呼ばれたことのない俺は驚きで思わずスマフォを落としそうになる。それにしてもこの俺にいったい何の用があるというのだろうか。そんな疑問を抱えながら普段あまりそでを通さないスーツの準備を始めることにした。






 目を閉じてすべての神経を音楽に集中する。コーヒーから漂う苦く、香ばしい香り。それを味わってから口に含む。わたし好みの完璧な味が口に広がる。しかし私の癒しの時間はすぐに無粋な音で邪魔される。仕方なく私は立ち上がり部屋を後にする。内容なんて見なくてもわかる。どうせ事件なのだろうから私の向うべき場所は本部しかない。





 「おい、そろそろ起きてくれよ。おい、おじさん!」

頭がぼんやりとしていて目の焦点が合わない。まぶしい光に目をこすりながら俺は見下ろしてくる男の姿が目に入る。それは制服姿の警察官だった。いy、今では旧治安維持組織。かつての捜査権は取り上げられて今やっていることといえば交番のお巡りさんの延長戦みたいなものばかりだ。今もこうして酔っぱらって道路で朝を迎えた50代のおっちゃんの相手をしているのだろう。

 「おっ、やっとおきたのか。もう飲みすぎるなよ。」

そう言い残すと彼はさっさとどこかに行ってしまう。まだ酔いが抜けきらないのかふらふらとした足取りだが俺は歩き出す。しかししばらくしてポケットに入れてあったケータイが初期設定のままの無機質な電子音を響かせる。折り畳み式の携帯でもう10年くらいは使っている。組織ではスマフォを支給しているのだがどうもなじめない。メールに軽く目を通すと思わずため息が出る。長年のカンがこれは大事件になると訴えていた。





 「というのがDNAの調査結果になります。」

そういって私たちは何処かの誰かがまとめた報告書を依頼人に手渡す。女性という性別からか、私の美しい容姿からか、依頼人と直接会う業務ばかりを任されている。今日も早朝から浮気調査の結果を報告している。いくら探偵がいようとこの手の依頼はへることはない。何度見たかわからない依頼人の怒り狂った顔を見ながらてきぱきと依頼料振込みの手続きを説明する。はっきり言ってもう慣れてしまったんだから仕方がない。慣れって怖いものだ。とわたしの後ろに控えていた部下(新人)のスマフォから最近はやりのミュージシャンの曲が流れる。仕事中くらいマナーモードにしとけとにらみを利かせてからその場を取り繕う。依頼人が出て行ってすぐに部下はそのメールを私にも見せた。

 「出雲会長からのメール見たいですね。できるだけ早く来いと。」

これはついているかもしれない。もしかしたら大出世のチャンスが巡ってきたのかもしれない。そういえば今週の占いは一位だったような気が……。思わず笑顔になった口元をきゅっと戻すと部下を引っ張って本部へと向かうことにした。


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