探偵の世界
21XX年6月。これまでに類を見ない新しい法律が施行された。その名は『探偵法』。犯罪数が著しく増加していく一方で警察の検挙率は停滞気味であるというデータが発表された。それを受けた警察組織は様々な手段を尽くし向上を目指したがそれは叶うことはなかった。そんな時代に立ち上がったのが『探偵』である。とあるテレビ番組で出演した『旧探偵協会』の出雲会長のコメントは様々なメディアで取り上げられて話題となった。
「現在の警察組織では今の荒んだ現状を変えることは不可能であろう。今こそ探偵が警察組織にとって代わる時が来たのだ。もはや警察など不要な存在なのだ。」
彼の発言は大きな波紋を生み出し、さまざまな思惑を生み出した。そんな中『探偵法』が両院で可決された。その当時は『探偵協会』と政治家にパイプがあるのではないかといううわさまで流れた。
『探偵法』によって、探偵は新たな国家公務員となりDNAと呼ばれる独立した組織の管轄となった。そのDNAの長官となった出雲氏の活躍によって組織づくりが行われた。施行後たった1年でその効果は表れた。
犯罪の数がみるみる減ってゆき、探偵の志願者が社会現象となるまでに増えていった。そうして探偵が社会的に認められてからそのまま月日は流れていった……………