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テスト勉強4

「でもおかげで明日のテストでは今までで最高の点数が出せそうだよ」

「それくらいはしてもらわなければ困りますね」

「俺も困る」

 点数や成績なんてどうでもいいが沙耶が辞めてしまうのは嫌だ!

「不純な感情が見え隠れしています」

「そんなことはないよ、俺は学生の本分である勉強は大事だということを考えていたんだ」

 勉強は大事だ。沙耶と活動を続けるためにも。

「……まあ、いいです」

 そんな言葉とは裏腹に、沙耶の可愛い顔が不満に満ちているよ?

「きもいです」

「俺の心を読まれた! というかまさか以心伝心?」

「いえ、口に出してました」

 そうか心が漏れ出ていたのか、気をつけよう。

「あと以心伝心とかきもちわるいことをさりげなく重ねないでください」

「大丈夫、沙耶の心はわかっているから」

 今すごい引いてる。


 そして期末テストを終えて数日。

 いつもどおり部室に行くと沙耶は先についていた。

「こんにちは」

「うん、こんにちは沙耶」

「もうテスト返ってきました?」

「きてるよ。沙耶も?」

「はい」

 お互いに教え合った勉強会の最後、お互いが教えた教科のテストを見せ合う約束をしていたことを受けての会話だ。

「じゃあまずは俺からね」

 鞄からさっき返してもらったばかりの英語のテスト用紙を取り出す。

 沙耶に胸を張れる点数だった。

「九十二点! 過去最高記録!」

 どやあ!

「……本当にすごいですね。よくあのレベルからその点数が取れましたね」

 沙耶に教わった以外にも英語は今回めちゃくちゃ勉強したからな。

 おかげで他の教科はいつもより落ちたけど。

「すごいのはわかりましたから、そのどや顔やめてもらえませんか。きもいです」

「はい」

 最近きもいと言われることが増えたなあ。

「次は私の番ですね」

 沙耶が取り出した数学の用紙。

 いつもは六十点台だと言っていたけれど。

「八十六点、すごいじゃない!」

「ありがとうございます。先輩ほどじゃありませんけど」

「沙耶は理解したら飲み込み早いからこれからも上がるよ」

「先輩は飲み込み悪いのに点数伸びましたね」

 自分でもびっくりでした。


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