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テスト勉強1



 いつもと同じ放課後。

 いつもと同じ部室。

 いつもと同じ二人だけの文芸部。


「早いなあ、もう六月も終わりかなあ」

「で、なんでここにいるんですか」

 俺が感慨深く言うと沙耶が呆れたようにそんなことを聞いてきた。

 そんなの言うまでもないじゃないか。

「もちろん、沙耶に会おうと思っ」

「ああ、すいません。先輩にこんな聞き方した私が馬鹿でした。」

 ……あれ、今俺のこと馬鹿って言われたような気がしたよ?

「期末テスト一週間前になってるのにどうして部活する気満々で部室にいるんですか、ということを聞きたかったんです」

「だってもし沙耶が来てくれていたら、一人だと寂しいかなあと思って」

「そもそもテスト一週間前から終わるまでの期間は部活動は原則禁止って規則は無視ですか」

 そういえばそんな規則もあったなー。

 まあ、部活って言ったって普段から大したことをしているわけでもないし、部室に来るのは禁止されてるわけじゃないのだから結局いつもと変わらずでいいと思うけどな。

「なんか、ちゃんと伝わってる気がしないので言い換えますけど。テスト勉強しないんですか?」

 ……。

「ははは、沙耶は真面目だなー」

「先輩の期末テストの点数悪かったら、私文芸部辞めますよ。ちなみに判断基準は私の主観で」

「今からここで勉強します」

 そんなことは絶対に阻止する!



「先輩、勉強はできるんですか?」

 英語のテキストを開いて練習問題をする俺の横で沙耶も古典の教科書を開いている。

 俺が一年前に使っていた物と同じだ。当たり前か。

「んー? 俺はそこそこかな。教科によって結構ばらつきがあるけど」

「得意科目と苦手科目の差が大きいってことですか?」

「そうそう」

 得意な科目なら学年で十位以内に入ることもあるけれど、苦手な科目は最悪の場合は最下位争いに参加したこともあるくらいだしね。

 なんともバランスの悪いことだとは自分でも思うけれど。

「国語と数学は得意だけど英語は全然できなくて――」

「そこ、過去形じゃなくて過去分詞ですよ」

「…………」

 なん……だと……っ?


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