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黒の銃騎士   作者:
始まる物語
8/37

六話 『街へ』

 採寸が終わるころには陽も空に顔をだしすっかり明るくなっていた。


「ユウナギ様、次は武器をそろえに行きましょう」


 エリルの話では昼には制服は出来上がるそうだ。最速仕上げだとか。

 別にそこまで急いでもらわなくてもいいんだが……

 もうちょいゆっくりしたいしよ。ただ武器を買いに行くっていうのには賛成だ。

 やはり武器がないといざってときに心許ないからな。


「ああ、でも俺、金もってないぞ」


「問題ありません!私が出しますので!」

 

 当然のように言うエリルに俺は気後れする。いいのか。俺、これじゃ完全にヒモだよな。


「いつか、ちゃんと返すわ」


「フフ、では期待して待っています」

 

城から出ると馬車が用意してあった。この世界での交通手段は馬車が主なのだろうか。


「これから街に向かいます。アルバノスで一番大きな街です」

 

 アルバノスという単語は先ほど今俺がいる国の名前だということを聞いた。

 学園も街の中に位置しているらしい。

 なんとも数奇なことに今日が始業式らしい。(今までは春休みだったようだ。

転入しやすい時期っていうのはありがたいっちゃありがたいんだが)

 基本的に全寮制らしい。

 ただ中にはエリルのように自宅から通うものも居るらしい。

 といってもそういう生徒は少数派で学園は寮に住むことを勧めているようだ。

 それを聞いた直後「じゃぁ俺も寮に住んだほうが」と言おうとしたのだが

だめです、と一蹴された。

 まぁ、寮となると寮費がかかるし、金銭的に考えたらエリルの家にいたほうが

いいのかもしれない、と思って俺も引き下がった。

 エリルの城から街までは馬車で30分ほど。

 念のためにあとで街の目立たない場所に『マーキング』しておいたほうがよさそうだな。


 馬車に揺られること半時間。俺たちはアルバノス最大の街『グーテンハイア』に到着した。


「でかいな。ほんと」


「必要なものはたいていそろうと思いますよ。」

 

 こりゃ一人で行動したら間違いなく迷子になるわ。門をくぐった先には人が数多くひしめいていた。


「少し待ってくれ。」


「はい」


 俺は門の根元付近の地面にちょっとしたマークを掘る。


 簡単なマークだ。手のひらサイズの円を描きその中に適当に『白』という漢字を書き込んだ。


 その際周囲の風景も注意深く見回す。そして先ほどエリルの自宅で頂いた羽ペン

(実際に使うのは初めて。映画の中でしかこんなの見たことないわ。しかも結構高価そう。

ほんとにもらってよかったのだろうか?)をポケットから取り出し、

インクをつけて同じように右手の甲に『白』と書き込んだ。


「一体何をなさっているのですか……?」


「マーキングだよ」


「まーきんぐ??」


「あぁ、簡単に言うと俺がどんなに遠くにいってもここに戻ってこれるように

するためのもの、かな」


「すごいです!!そのような魔法があるのですね!!」


「いや、まぁ、ああ。そうだな」


 たぶん、魔法じゃないんだろうなぁ。ちなみにやり方は簡単。

 マーキングした場所に飛びたいと思ったらマーキングした場所に描いたマークと

同じマークを『見る』だけ。

 こうすることでマーキングした『空間』の『イメージ』を鮮明に思い出す

ことができ空間移動が可能となる。まぁざっくり説明するとこんな感じだ。


 これだけだとめちゃくちゃめちゃくちゃ便利なツールに聞こえるだろうが

実際は条件がある。先ほど説明したようにマーキングした地点に飛ぶのに必要なものは

『飛ぶ地点の鮮明な記憶』だ。マーキングとして文字を記したのも『記憶』としてより

定着させるためだ。逆にいえば『記憶』がない場所には飛ぶことができない。

なぜなら飛ぶ地点を特定できないためだ。

 マーキングしなくても忘れられないほど思い出深い場所ならいつでも飛ぶことができる。

 来たばかりのこの世界にそのような場所はまだないが。

 そしてそれほど思い出深い場所ではない場合は記憶が薄れていけば飛べなくなる。

 また記憶した地点と飛ぼうとする時点での『地点』の風景情報が変わっていた

場合も飛ぶことができい。

 とまぁ、飛ぶ条件があるわけだ。実際の空間移動はやはり『目』で焦点を合わせて飛ぶ、というのがメインになる。


「はぐれたらここ集合、ってことにしよう」


「わかりました!でもはぐれないように私から離れないでくださいね!」


「ああ。わかった。」

 

 確かに一番いいのは俺たちがはぐれないことだからな。

 マーキングし終えた俺とエリルは一番の目的であるこの街最大の武器屋へと

向かうことにした。

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