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番外編:妻と夫のハロウィンパーティー ①

すみません。本編が間に合わなそうなので、季節ネタに走ることにしました。


時間軸は、全ての物語終了後ですので、本編ではチラッとしか出てきていない方もがっつり出てきますが、あまり気にしない方向でお願いします(ぺこり)


 もうすぐ、ハロウィーンというお祭の日なのだそうです。数日前に何かの話の流れで他国のお祭について聞いた時に夫が教えてくれました。


 なんでも、かぼちゃのお化けが街を徘徊して、子どものお化けたちがお菓子をせびり、お菓子がないと不幸な目に合わされるのだとか。


 ・・・なんですか、そのホラー現象。


 どの辺がお祭なんですか、死者のお祭ですか、生者はいったいどうすればいいんですか!?


 だって、想像してみてください。


 巨大なかぼちゃのお化けが、ズルリ、ズルリ、と街を徘徊し、子供とはいえ、お化けが道すがら「菓子をくれ〜」とおいすがってくるその光景。

 しかもお菓子をあげないともれなく呪われるおまけ付きです。


 ・・・怖っ!


 夫と話した日は、自分の想像が怖過ぎて、いつもよりもちょっと夫にくっついて寝ました。

 いくらお化けでも、夫のことは避けて通りそうな気がしますから、安心です!


 正直言って、私はお化けの類が大嫌いなんです。だって、足がないんですよ!? どこからでも出てくるくせに、ものを動かしたり、人を呪ったりするんですよ!? お鍋でぶんなぐれないものは、怖いです。

 あ、そういう意味では夫も怖いかも。お鍋、あっさり回収されそうですよね。当たってもたいしてダメージ受けてくれなさそうですし。


 もしお化けと夫が対決したらどうなるんでしょう。頂上決戦ですね! でもなんとなく、そうなったらお化けが物凄く、可哀想な事になりそうな気がします。


 驚かそうとあれこれ手を尽くすお化けと、それを無反応、もしくは不思議そうに眺める夫。


 あ、ちょっとお化けに親近感を持ってしまいそうです。こっちが一生懸命頑張っているのに、暖簾に腕押し、糠に釘。手応えがなくてどんどん切なくなっていくんですよね。うん、分かります、その気持ち!


 ・・・なぜか寝る前の想像のなかで、お化けとすっかり意気投合してました。



―――


 翌日、遊びに来ていたレインが、ハロウィーンパーティをしよう! と言い出しました。

 何を言ってるんですか、死者のお祭に生者が参加したらいろいろ問題ありそうですよ!?


「何を言ってるんだは君の方だよ。ハロウィーンパーティはみんなで思い思いの仮装をして、カボチャ料理を食べて楽しくゲームをし、最期にお菓子まで食べられる素晴らしいパーティだよ」


 あれ? なんだかだいぶイメージに隔たりがあるような。


「死者が街を徘徊して、子どものお化けさんがお菓子を脅し取れないと呪ってくるんじゃないんですか?」

「・・・決して間違ってはいないが物凄く明後日の方向の知識をつけさせたのは、君の旦那さまだね?」


 どうしたんでしょう。レインのこめかみが引き攣ってます。


「ああ、失敗だったね。先に君の旦那に伝えた私のミスだ。まさかここまで大人げないとは・・・」


 頭を抱えた友人は、ややあって、私の両肩に手を置いてにっこりと笑いました。その目にはかつてみたことが無いほどのやる気がみなぎっています。


「エーファとミリディアも誘ってるんだ。ヴォルフ殿の手料理にミリディアのお菓子。エーファとフィリウス殿が考案するゲームに、この私がデザインする衣装。それを仕上げるのは勿論君お得意の裁縫だ。会場の飾り付けは我が元夫殿がやるそうだから、君の旦那さまにも手伝ってもらおう。ほら、始まる前から楽しそうだと思わないかい?」


 店長さまのお料理! 子猫さまのお菓子! 夫の同僚さんに女性団員さまのゲームも面白そうです。それに友人のデザインする衣装! 会場の飾り付けまで担当がふられているという事はきっと手の込んだものになるに違いありません。ハロウィーンパーティって一体どんなものなんでしょう。ワクワクして来ました!


「なんだか、とっても楽しそうですね!」

「そうこなくっちゃ! よし、そうと決まれば私はデザインを起こしてくる。あとでうちのスタッフに材料を届けさせるよ」


 任せとけ! とばかりに大きくうなづくと、友人は本当にすぐに帰って行きました。


 翌日、友人直筆のデザイン画と色とりどりの布やら針金やら羽やらいろいろな物が届けられました。


 ・・・8人分の衣装を縫うのって、結構大変ですね。





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