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「ジェイムズ!!」
枕に埋めていた顔をバッと上げてジェイムズを見た。
ちょっとだけ驚いた顔をしたまま、扉の側からわたしのベッドへ近づいて、側にある椅子へ座った。
そしてもう一度、どうしたの?と聞いてくれた。
「わたし、、わたし、、、、王子様の婚約者候補になってしまったの、、、わーん!!」
自分で言葉にしたらもっともっと現実味を帯びてきて、また声を上げて泣いてしまった。
グスグスと泣きつづけるわたしの頭をそっとジェイムズが撫でてくれる。
「よしよし、泣かないでミーシャ。それにしても本当に、王子様の婚約者候補に選ばれたの?」
頭を撫でてくれる優しい手つきに、脳内の大混乱も少し落ち着いてきた。
「ついさっきお母様が言っていたからきっとそうよ、、、勢いがすごくって詳しくは聞けなかったけど、、、」
「そっか…」
「それにね、お母様たら、わたしの婚約者探しをしなくて良くなったことをとっても喜んでいたのよ、、、!ひどいと思わない?」
また気持ちが昂ぶってポロリとこぼれてきた涙を手でぬぐっていると、
「まあ、ミーシャはお転婆だからね。君のお母様の気持ちもちょっとだけわかるよ」
と言って綺麗な顔でジェイムズがクスリと笑った。
、、、、、、。
わたしのこぼれていた涙がピタリと止まった。
「どういう意味よ。」
ジェイムズ、わたしのことをバカにしているわね。
「わたしが、お転婆で、おバカさんだから、わたしのことをお嫁にもらってくれる人なんていないって言いたいのかしら」
そうよね、そういうことよね。
「いや、違うよ、あのね、」
ジェイムズの手がわたしの頭を離れ、焦ったように左右に動いている。
でも、ごまかされないわ。
お母様もジェイムズも、わたしには無理だって言うなら、見せてやろうじゃないの、、!
「わたし、王子様の婚約者候補をやりきってみせるわ!」
そう、ジェイムズの目を見据えて、わたしは宣言した。
その瞬間、
バーン!と、また部屋の扉が開かれた。
「よく言ったわ!ミーシャ!それでこそ私の娘よ!」
またさっきと同じようにお母様が部屋にはいってきた。
「お母様!」
「あなたはお転婆過ぎるから、婚約者候補に選ばれたとはいえ、お受けするべきかどうか、正直決めかねていたの。だけど、あなたがやる気があるようでよかったわ。お受けする、とお返事しておくわね」
突然の登場に驚いているわたしとジェイムズを気にもとめず、じゃあジェイムズ君ごゆっくりね、と言って母は出ていってしまった。
嵐のようね、、
何か大事なことを言っていた気がするけれど、もう、全然頭が働かないわ、、、
あまりにも勢いがありすぎて、お母様が出て行った扉を呆然と見つめていると
「さすが、親子だね」
ジェイムズが少し感心したように呟いた。
、、、、、、、そんなこと言ってる場合か!!!




