0105 猫座布団
我が家には三人の居候がいる。
長女は七歳の三毛。
次女は六歳のハチワレ。
次男は二歳のキジトラ。
ええ。
我が家の可愛くも小憎らしい猫どもです。
今の家に引っ越してきてから貰ってきた子たちとの共同生活はそろそろ四年になる。
キジトラだけは、長男が昨年亡くなって、すぐに迎えた子なので同居歴はまだ一年。
いまだに微妙な距離感で、ご飯タイム以外で鳴くのは二階の和室の扉の前。
二階の和室は我らが寝室だった。以前、解放してたんだけど夏場の暑さに居間での寝起きが標準になって、和室は猫たちの楽園になってて。
……ええ、盛大にやらかしてくれまして。
詳しくは申しませんが、ついに出禁と相成りました。
まあ、それでも和室の居心地の良さ――人がいないというだけでも解放感が違うのだろう――が懐かしいのか、それともナワバリの見回りのためか、真冬でめっちゃ寒いというのに脱獄する。
いや、監獄というわけじゃないんですが、リビングダイニングは繋がってて、猫たちが出ると開け放すしかないんですな。
そうなると、いくら暖房を入れていても寒い。
雪が降りそうな外気温。ぐんぐん下がる居間の温度。
締め出すわけにもいかなくて、人間が分厚いコートを着ながらエアコンかけて震えてる、という構図が出来上がる。
電力消費もぐんと上がるわけで。
そんなこんなで今日も今日とて人の出入りの隙間を窺っては脱獄する次男でありました。
さて、長女ですが、最近何やらお気に入りが変わったのか、わたしの膝に乗せろとせがむのです。
先日までは連れ合いに添い寝していたのが一転、わたしの膝の上がこの冬のお気に入りのようです。
それは食事中だろうがお構いなく、斜向かいのソファの上からひたすらわたしの顔を覗き込んでは早く食べろと圧をかけてくる。
ひとしきり食べて、背もたれにからだをあずけると、さっさと乗ってくる。こちらの都合、お構いなしです。
そして座ったが最後、広くない膝の上で三十分以上、お過ごしあそばれるのだ。
猫下僕な私が、長女占有の猫座布団に変解する瞬間だったりする。
……とは言え、寝る時に腹の上に上がってこない。寝る時はむしろ、連れ合いとの添い寝を好む。それだけが心残りである。