誰か助けて
私は長い眠りから目覚めたような気持ちだった。
ここは?
私は見知らぬ廃屋にいた。
どこ? どうして私はこんなところにいるの?
誰かーッ! 助けてーッ!
大声で叫んだ。でも返事はない。
仕方なく広い屋敷の中を歩いてみる。薄暗い家だ。
人気は全くない。いや、生き物がいる気配すらない。
二階への階段を上がる。今にも腐って崩れそうだったが無事上がり終えた。
部屋の一つに入り、バルコニーに出た。テーブルが1つと椅子が2脚ある。
どちらも埃をかぶっており、長く使われていないようだ。
外は西日が射していた。やはり誰もいない。
廃屋は小高い丘の上にあったため、住宅地が一望できる。
私はあらん限りの声を振り絞って叫んだ。
誰かーーーーッッッッ!!!
いませんかーーーッッッ!!!???
しかし返事はない。誰も来ない。
私は疲れてその場にしゃがみ込んだ。
どれほどの時が経ったのだろう。
私は人の話し声で目を覚ました。
階段を昇る足音が聞こえる。
良かった! 誰か来てくれた!
私は立ち上がってバルコニーからドアへと走った。
その瞬間ドアが開け放たれ、一人の美しい少女と三人の男性が入って来た。
私は歓喜の声を上げそうになったが、鋭い視線の少女の言葉に凍りついた。
「私には貴女が見えるわ。これ以上不気味な声で近隣の人達を怖がらせるなら、私は貴女を除霊するわよ」