彼女の名前は
急に現れた、彼女に僕はいろんな疑問を巡らせる。何もわからない謎の少女とこれからどうなっていくのか、それはまだ誰もわからない。いや、忘れてしまった物語だ。
あの後、何時間立ったのか、自分でも思い出せないけれど、外はとっくに暗くなっていた。時計を見ると6時を回っている。夏が終わり、秋に入り、冬が近づいてきた、10月上旬。6時でもかなり外は暗かった。
「いきなり泣き始めたから、びっくりしたよ。」
そう、彼女が僕に話かけてきた。久しぶりに泣いたので、今思い出すとすごく恥ずかしい。そう、泣いたのを後悔している僕がいる一方で、急に現れた彼女は一体何者なのだろうかと考える自分もいて、そんな考えが頭の中で、ぐるぐると回った。そういえば彼女の名前を聞いていなかったなと思いだし彼女に名前を訪ねてみる。
「そういえば、君の名前を知らないんだけど。」
「はぁ。そんなものも忘れてしまったのか。私の名前は、シュビィ・スカーレットだよ」
ため息交じりに彼女、いやシュビィは答えてくれた。名前を聞いたら何かわかることがあるかもと思ったけど、何もわからなかった。分かったのは、日本人ではないことくらいだ。
「なんだよ」
僕がシュビィを見つめているので、シュビィが聞いてきた。
「なんなんだよ」
見つめる
「だから、私の顔に何かついているのか?」
見つめる
「、、、、」
ついに見つめられるのに恥ずかしくなったのか、顔を背け頬を赤らめている。
「何でもないよ」
僕の恥ずかしい顔をみられたんだ。これくらいは許されるだろう。泣き顔をみられたお返しとでも言わんばかりにシュビィの顔を見つめてやった。
「それよりお腹が空いた。何か食べ物はある?」
その間に耐えられなくなったのか、シュビィは話題を変更して、夕ご飯の話を持ち出し、勝手に僕の部屋にある冷蔵庫を開けているシュビィに
「ファミレスでも行こうか?」
そう提案する。
「ファミレスでいいけど、冷蔵庫の中身かなりひどいな」
僕はあまり自炊が得意ではないので、いつも外食かスーパーで買ってきた総菜を食べている。なので、冷蔵庫には、ほとんど何も入っていない。入っているのは、申し訳程度のグラノラ用の牛乳、たまに作る目玉焼き用の卵。あとはジュースくらいだ。なので、そんなことを言われても仕方ないと、シュビィのいらぬおせっかいを飲み込む。
「ファミレスに行く前にその服着替えてくれよ。」
シュビィの服装でファミレスや外に行かれるとかなり目立つ、しかも相手が僕みたいな、高校生だとかなり悪目立ちするだろう。そういう意味も重ねて着替えてほしいといったけれど、シュビィはすごく不思議そうな顔をしている。どうしてと言わんばかりにこちらを見つめている。ということはあまり日本のことを理解していないのだろう。
「日本でそんな服装をしている奴はあまりいないぞ。」
そう言ってやるとすごく驚いた顔をしている。どうやら本当に日本のことをあまり知らない様だ。
「私の国では今はこれが流行りなのだがな。」
何処の国だよ。と頭の中で、突っ込みを入れて、シュビィに服を着替えるように促す。
「着替えたぞ。」
服を着替えたシュビィは僕の部屋から出てくる。
「少しサイズが大きかったか。」
僕が以前使っていて、もう使わなくなった服をシュビィに貸してやったが、少し大きかったみたいだ。手が完全に裾に埋まっている。
「ほかに服あったかなぁ」
シュビィ服を見て何かほかに服がないかと頭を回していると、
「これでいいよ」
とシュビィがそういった。
「それなら、それでいいけど」
まぁシュビィがいいのであれば、と僕も頷く。じゃーそろそろ向かとするか。
「いらっしゃいませー」
ファミレスの店員の聞き慣れた声に少しほっとしつつ僕たちは、席についた。
「何を頼もうか」
さっそくメニュー表を見ているシュビィに僕は尋ねた。
「そうだなー、この イタリア風ドリアを頼もうかな」
シュビィはこのファミレスで定番のものを頼むようだ。でも僕もペペロンチーノを頼むので、人のことを言えたわけではないが。
「ピンポーン」
店員を呼び、シュビィのドリアを頼み、僕のペペロンチーノを頼む。
「お待たせしましたー」
十分くらいたったころにそれは届いた。
「おぉー」
シュビィはそれを始めてみるような顔で見ている。僕はいつもと変わらないので、あまり感動を覚えたりはしないが、今日一日でいろんなことがありすぎたので、ようやくいつもと変わらないものを見てほっとした。
「ごちそうさまでした」
そう手を合わせる僕を不思議そうに見つめた後、シュビィも僕と同じことをし、会計を済ませて、店を出る。
腹を抱えて家に帰っている途中で、それは突然に、起きた。
「バーン」
と聞いたこともないような、日本では決して聞こえるはずがないような音が後ろから響く。振り返ると同時にシュビィが倒れこんだ。そして後ろには、黒い服を着ている男か女かは分からないが、銃?らしきものは持っている。
「お前たちは、グハッ」
気づいたら膝をついていた。だがしかし、痛みはなく、だけど意識だけは遠のいていた。最後に聞こえたそれは、
「これで任務完了だ」
知らない男の声と
「そこの少年はどうする。記憶を消すだけでいいだろう。」
と女の人の声が聞こえ、僕は何か激しい痛みに苛まれ、、、、
「そんななにかが起こる世界で!」を読んでくれてありがとうございます。シュビィと名乗る少女、そしていきなり現れた、謎の人達。一体これからどうなるんだろう()今回はとても展開が早くこれを読んだ人ならすごく展開に振り回されたはず、次回もこんな感じでいきなり何かが起こったり、するのかはわかりませんが、次回もよろしくお願いします。