表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/18

時代背景

歴史においては記録されているものが全てであるが、古代史においては断片的かつ執筆者のある種の意図が記録されているものがあると思う。日本書紀は我国の正史であるが、私はこれを疑い私なりに再構築してみたい。「記録に無いから、それは無いだろう。」ではなく、記録に無いけれども、何かがあった筈だ。と考えて見たいのです。

西暦589年、漢帝国崩壊のおよそ400年後、長く戦乱にあった大陸では隋の文帝が江南の陳を滅ぼして中国を統一し東亜細亜に巨大な国家が出現した。文帝の後を引き継いだ煬帝は、東の高句麗が西の突厥と結んで隋に対抗する姿勢を見せた為に100万に及ぶ大軍を起こして3度にわたり高句麗へ遠征したが、悉く失敗して隋滅亡の端緒となった。


西暦618年、内乱により煬帝が殺されると、中原を押さえていた李淵は煬帝の孫の恭帝から禅譲を受けて自ら皇帝となった。唐の高祖である。

西暦630年、突厥を崩壊させた二世唐太宗李世民は、その後も近隣諸部族を屈服させ、内では貞観の治と後世称えられる安定した時代をつくり出した。しかし唐の東の大国、高句麗は隋滅亡の端緒になった国でもあり唐は、高句麗侵攻の機会を狙っていた。


建国以来長きに亘ってあい争ってきた半島三国、高句麗百済新羅にとっても大陸中原において巨大国家が出現したことは脅威であった。

特に隣接する高句麗は、後顧の憂いを払拭するために百済と同盟関係を結んだ。同時に当時百済と同盟関係にあった倭国とも誼を通じることとなった。蘇我氏の法興寺建立の際に高句麗から送られた仏像鍍金用の黄金三百両や高句麗僧派遣もその一端であった。

高句麗百済倭国の同盟関係に対し亡国の危機を迎えた新羅は、大国唐と結ぶしか生き残る方法は無かったのである。


西暦642年、新羅は百済義慈王の総攻撃を受け、大耶城をはじめ西方40余城を取られ、洛東江まで後退。時の新羅宰相金春秋は単身高句麗に乗り込んで救援を要請するも逆に捕らわれの身となってしまった。これには何とか脱出するも、高句麗は百済と合勢して新羅の対唐通交の要衡地であった党項城(京畿道南陽)を挟撃した。

西暦643年、唐の太宗は、高句麗・百済両国に使者を送り、新羅との和解を勧告。新羅と軍事同盟にあることを明らかにした。百済は受諾の態度を示したが、高句麗はこれを一蹴してしまった。


これに対し唐太宗は翌644年、およそ10万の兵力で高句麗に侵攻した。第一次麗唐戦争である。この動きに倭国でも反応があった。翌645年、大和朝廷において百済との窓口でもあり朝廷内において権力を欲しいままにしていた蘇我本宗家が、軽の皇子すなわち孝徳帝を中心とする勢力に滅ぼされるのである。これは倭国に親唐政権が誕生したことを意味した。親唐政権が誕生して先ず取り組んだことは、遣唐使の派遣と親唐派の僧旻と高向玄理の国博士の登用であった。海外の情報にいち早く接するための難波の宮の建設も必然であった。親唐とは親新羅も意味したから、新羅の宰相金春秋も早速やって来たのである。


しかし西暦651年、唐高宗は入唐した百済使臣に占領した新羅領を新羅に返還するよう和平を勧告。不履行の場合、唐は百済への出兵も辞さないと通告。及び、百済と与国関係にあった倭国に対し、新羅に対し救援の出兵を勧告した。これにより、大和朝廷内において親唐派と親百済派の対立は決定的となり親百済勢力に敗れた孝徳帝は遂に、親百済派の斉明女帝及び中の大兄の皇子により難波の宮に置き去りにされるのである。


西暦660年、百済は海を越えてやって来た唐軍と新羅軍に挟撃されて、あっけなく滅びた。

西暦663年、百済復興運動の求めに応じて渡海した倭国水軍は、迎え撃つ唐水軍に白村江において破れ、亡国百済遺民と共に海を渡ったのである。

西暦668年、唐・新羅軍、平壌城を囲む。9月、高句麗の宝蔵王が降伏することで、高句麗滅亡。


西暦670年、倭国では庚午年籍の作成が始まる。長門・筑紫、両国に築城する。

西暦671年、大友皇子が太政大臣になる。9月、天智、病臥する。10月、大海皇子が東宮を辞して出家し、吉野に向かう。11月、唐使|郭務悰《かくむそう》ら2千余人、47隻の船に分乗して日本に向かう。12月、天智天皇、没。

西暦672年、3月、来朝している|郭務悰《かくむそう》ら、天智の死に哀悼の礼を捧げる


風が吹いている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ