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異世界から戻ってきた俺の話  作者: ナゾロボット
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前世の話

この話を始める前に、まず前世の話をしようと思う。俺の前世は魔法ありスキルありの中世ヨーロッパ風の世界で、元男爵の貴族だった。

アイルゼン男爵家に産まれた俺はアイルゼン家の長男で一人息子のトール=アイルゼンとして生をうけた。寝て起きたら赤ん坊になってたのは驚いたが数年したらすぐに慣れたし、逆にハーレムを作れるとか俺tueeできるとか思ってわくわくもした。スキルも『影使い』とか魔法も希少な闇属性とか出て完全に勝ったと思ったが、どうやらそううまくはいかなかった。この国では闇魔法は穢れたものであり貴族であるならば即廃嫡ものだったみたいだが、俺の両親はできた人で、俺を変わらず可愛がり当主の継承権も与えてくれた。唯一の救いが、俺には武術の才能もあったみたいで12歳の頃には既にかなりの実力をつけていた。国が主催する武術大会で優勝したこともあった。

そんなこんなで俺が15歳でちょうど成人の儀を終えた半年後に事件は起きた。俺の両親がその年に大流行した病気にかかり亡くなってしまったのだ。ギリギリ成人になっていた俺がアイルゼン家の継承権を得て、それまで学んできた領地運営の知識でなんとかやりくりしていた。だが闇魔法を使う俺についてきてくれる部下はごく僅かしかおらず、多くの部下がいままでやっていた仕事すらサボるようになり、実質俺一人でほとんどの仕事を回していた。

そんなことを3年間していた俺も遂にぶっ倒れたが、そのタイミングでまた未知の病気が流行して領民の一割が死んだ。フラフラの状態でなんとか特効薬を割り出すことに成功、町を清潔に保つために下水道を完備したり、そのためのろ過装置を作ったりしたが、なぜかその全てが部下がやったことになっていた。俺はなにもしなかった無能として部下を通して国に告発され、男爵という地位と領地を失った。

国は武術大会で優勝した経験を持つ俺を、魔王討伐の旅をしているというイケメン勇者くんの男1女3という割合のハーレムパーティーに強制参加させた。何を思って男の俺をイケメン勇者くん(笑)のパーティーに入れたのかまるで分からなかったし、イケメン勇者くん(笑)も女性を差し出してくれると思っていたのか、かなりがっかりしていたな。

その腹いせなのか、俺は斥候役としてほとんどの時間パーティーとは行動せずに一人で戦闘をして、あらかじめ障害となる魔物を排除していた。まぁ全部勇者の手柄になっていた訳ですが、それは気にしないことにした。なんか僧侶とか女戦士とか魔法使いはなんとなく気にしてくれていたみたいだけど、たまに話してみたら案外いい人達だったので気にすんなと言っておいた。

勇者くん以外のパーティーメンバーとは結構いい関係を築けたと思っているし、旅の途中でたくさんの友達も出来た。

数年がかりの旅でやっと魔王の城に着けた俺達は、かなり強くなっていた。それでもただ一人勇者くんだけが全く成長していなかったのは、まぁ俺が先に障害となる魔物を片付けて、女戦士と魔法使いが仕留め損なった奴を倒していたから、そうなるのも無理はない。

そして俺と勇者パーティーが合流して戦った魔王との最終決戦で、俺は死んだ。魔王が最後のあがきで起こした魔力暴走による大爆発を俺の命と引き換えに防いだためだ。

あっけなく死んでしまった俺だが、目を覚ますと自分の部屋のベッドの上にいた。この記憶が前世のものなのか、ただの夢なのかは分からない。ただ一つ言えるのが、目を覚ました俺はスキルも使えるし魔法も使える様になっていたということだ。

さて、これからどうしようか。


僧侶、女戦士、魔法使いは勇者が旅の途中で立ち寄った国で王様の紹介で仲間になりましたが、勇者に好意を寄せている人はいません。むしろ警戒しています。

闇魔法を穢れたものだと思っているのはトールの国だけです。

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