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二人の道

「いや、そう言われても」

俺はそんな涙目の女性を前に戸惑いながらも大羽に助けを求ようとする…が、俺は知らんという顔をしながらそっぽを向いた

「あんにゃろー…それよりロマ・フェリス王女聞きたいことが山ほどあるんだけど」

と俺が敬語も何も使わないで話すとメイド達が颯爽と俺の前に現れ喉元にナイフをつきだした、俺は反射的に息を止め両手をあげメイドの睨んでくる目を見て唾を飲み込んだ

「無礼な、あなた達お辞めなさい」

その言葉にメイド達はソロソロと定位置に戻っていった、俺は冷や汗をかきながら息を吐き出したした

「昇梨くんごめんなさい話し方は今のままでいいわよ、後フルネーム+王女付きで名前を言うのはやめてね私を呼ぶときはフェリスでいいわ」

と謝罪が飛んできた、あと俺はこれから王女の名をフェリスで言えるという権利も共にもらえた、もちろん権利である


だが次の話題に入ろうと俺が名前だけでフェリスを呼ぼうとしたときメイドから凄い目線を感じて言いづらかった

「あのフェリス…」

俺がいいかけた時後ろの扉から開く音がした、そしてその音と共にどこかで聞いたことがある女性の声もした

「はぁ、もう疲れた~、お母さ…ん…」

俺と目があうと女性、いや言い直そう女性ではなくアオナは黙りこんでしまった

「お、おうアオナまた会ったな」

俺が照れ臭そうに挨拶をするとアオナはなぜか、顔色が悪くなり何かをやらかした時みたいに固まっている

「あらまぁ、アオナと会ってたのね、ならアオナ会ったときに連れてきてくれればよかったのに、だって今回あなたに頼んだ仕事は昇梨くん達を連れてくることだったわよね」

怖い…怖いですフェリスさんその優しげな言葉と顔の裏にあるなんかがにじみ出てます

「いや、あのねお母さん私は依頼書も出してこの大陸の辺り一面を飛び回って最後の最後に会ったのがコイツら…じゃなくて、昇梨達だったのよ」

アオナさん言い訳を凄い頑張ってるな、ってかコイツらと言ったときのフェリスさんの顔怖!

「しかも聞けば別の星から来たとか言うし、ここ最近異星人による殺人も多発してたしさ…ごめんなさいお母さん!!」

土下座かよ!!言い訳頑張ったのに最後は諦めて土下座か!!

「私言わなかったかしら、相手は地球人という異星人ってしかもアオナ、あなた地球人に会うの初めてじゃないでしょ?…まぁ、無事に会えたからいいわ」

その言葉に俺はホッとしたがアオナは土下座のままだった

「ま、まぁ、アオナは気付かなかった訳だしさしょうがないですよ、宿屋も教えてくれたしその他もろもろも、だから怒んないでください」

俺が場をおさめに入るとフェリスは昇梨くんが言うならという感じで深くため息をついた

「今回はいいわ"罰"無しで、アオナ下がっていいわよ」

その言葉に対しアオナはもう一度深々と頭を下げて扉の方へ向かった、俺はアオナが扉の方に向かうことを確認し本題に入ることにした

「それじゃ、フェリス本題に入ろう」

するとそっぽを向いていた大羽も顔の向きを変えてフェリスの方を見た

「フェリス、俺が聞きたいのはこの地へ喚ばれた理由、俺がこれからやるべきことなど色々と聞きたい」

とまぁこんな感じで俺が質問攻めを始めるとフェリスはうつむきプルプル震えていた、その後震えが収まるとフェリスは顔をあげ1つ深呼吸をした

「あの、フェリス…うつむくほど嫌なら答えなくても…」

と心配をしたがそれは間違いだったようだ

「いえいえ、私はこれを、この質問を待ってました!!」

いきなり立ち上がるとガッツポーズをしだした

「いや、でもさっきの様子じゃ言うのが嫌なんだと」

などと言った俺が次の返答で馬鹿に思えてくる

「いえ、全然、むしろ大歓迎よ!これでようやく私もあの……クイズ大会ができるわ!」

俺の心配はどこへやら、というかクイズ大会までのタメが長い!!余計な間だったと俺は思う


「それじゃ、始めましょう!問題!私がこの星に昇梨くん達を喚んだ理由は何でしょう、1!他の星にも生命体がいると地球の人に教えて欲しいから、2!この星に1000年に1度起こるという色んなことを救って欲しいから、3!社会科見学」

おいおいノリノリで問題出してきたな、しかも2番だけざっくりしすぎじゃないのか?まぁここは答えるしかないけど、だって答えなんて1つしか無いに決まってるだろこんなの

「3だ」

………ぇぇえぇぇーーーー!!おいちょっと待て!大羽!お前、本気か!?正気か!?大丈夫か!?いつも頭があんだけキレるくせにこんなときだけボケるのか?いや、天然なのか?頭の中で俺をツッコませないでくれ!

「おい、大羽本気で言ってるのか?」

「3番以外になにがある?」

こいつ本気だぁぁー!目そして言い方が全てが本気だ!…今回は大羽に頼るのはよそう

「わかった…フェリス俺は2番だ」

俺がちゃんとした答えをだしたはずだった…なのに大羽は俺に疑い深い顔をしながら問いてくる

「なんで2番なんだ、昇梨」

え?なにその"お前間違ってるよ"みたいな言い方、絶対合ってるからね、俺正解だから正解者だからね

「いや、だってここまで来て社会科見学はないだろアニメ的展開的にも絶対2番だろ、ってか2番じゃなきゃまずいだろ」

などと俺が理屈を並べながら騒いでいると

「正解は~…2番でした!」

フェリスから2番という当たり前すぎる答えがでた、俺はそりゃそうだろうなと思いながら大羽の方を見る…

えぇえぇぇーーー!!お前マジか!大羽マジか!なんだその落ち込みは、あしたのジョーの白く燃え尽きたシーンみたいな落ち込みかたは、だって絶対3は無かっただろ!なのになんでそんなに落ち込んでるの!ってか高々クイズごときで(クイズごときというが俺もガチだったな…でも)そんなに落ち込むなよ

「大羽、問題まだあると思うからそんなに落ち込むな」

俺が元気付けると大羽の顔はパァァと明るくなった、のはいいけど立ち上がり早くね!

「まぁ、1000年前に色々とあったわけよ、悪魔法戦争とか神選嫁期とか三大大陸分裂戦争とか他にも小さいのから大きいのまで、だからねまた地球の人に助けてもらいたいのよ」

俺らはあれだなこの星の色んな問題ごとに巻き込まれたり首を突っ込んだりしないといけないわけだな

「あのすいませんフェリスさん"また"というのはどういうことでしょう?」

と大羽が久しぶりに核をつく質問をした

「それは、前に助けてもらったからに決まってるじゃない」

「でも、前に助けてもらったのは10年前くらい前かしらその時は地球人の20代後半くらいの男性で神者決裂対戦で手をかしてもらったわ」

でもそれは成人男性だ、今回喚ばれたのは俺ら学生だ

「なんで今回は俺達なんですか?」

なんて質問をしたら待ってました!的な反応をされた

「それはね今回は時間があるからよ!しかも成人前なら伸びが期待できるし、色々とプラスが多くてね」

とフェリスは霧がかった言い方をしたが、今回は俺達みたいな未熟者の方が伸びが期待でき戦力にもなるということを言いたいのだろう

「次の問題いくわよ!問題!昇梨くん達はどうしてこの星の言葉が通じるのでしょう、1!」

とフェリスがいいかけた時大羽がいつものキレのある答えを先に言った

「それは多分あの昇梨の鍵と鍵穴から出た光によるものだと思います、あの光は転送または転移機能+言語習得可能機能が含まれていると思います」

その答えにフェリスは正解と言わんばかりのむすくれた顔をしていた

「私が出題する前に答え言わないでよ、意外と楽しいんだから…まぁ、大羽くんご名答よ、そうあれは私が用意しておいた転送+言語習得ができる優れた魔法よ、あれをしないと貴方達全く言語通じないもの、でも代わりに負担をかけないよう母語を消させてもらったわ」

その言葉に俺らは唖然をしたがフェリスに焦る様子はない

「帰るときにはちゃんと入れ換えるから、言語を入れ換えるのはそんなに負担が大きくないから全然大丈夫よ」

その言葉に俺らは唖然して外れそうな顎を元に戻した

「そんなところね、それじゃ次の問題…ってもうないわね」

俺はそのフェリスの発言に対してビックリした

「まだありますよ!!」

とか言ってみるがフェリスは分かってるみたいな感じで今までで一番そっけない態度をとった

「アオナ、扉の外で聞いてるんでしょう?入ってきなさい」

扉の外に聞こえるくらいの大きさでフェリスが言うとアオナは肩身が狭そうに入ってきた

「昇梨くん、まず慰謝料は払わないでいいわよアオナはあとで可愛がってあげるから、それと大羽くん"魔気(まき)"については師匠が教えてくれるから安心してね…んと、今のところそんなもんね」

この人やはりすごい、俺らの全てを見通してるというかもう超能力じゃないのか?…目線を感じてそっちを見る、…待てアオナ、そんな目で俺を見るな捨てられた子犬みたいな目で見るな!…わかった!わかったから!助けるから!

「フェリス、俺アオナに魔気を教わりたい!アオナはこの国の王女なんだしフェリスの子供だから丁寧に教えてくれそうだし、お願いします」

これで無理なら助けられないぞアオナ…

「…はぁ、昇梨くんは優しいわね、あんだけのことを言われてしかもあんな子芝居を買ってあげるなんて…いいわよアオナ、昇梨くんに色々とこの世界の一般常識を教えてあげなさい」

なんてことを言われると俺とアオナはここに来た時と似たような魔方陣で転送された

「大羽くんは魔法使いなのね、なら私の親友に預けるわ」

と魔方陣を開こうとしたその時大羽は最後の質問をさせてくれといい開かせるのを止めた

「フェリスさんはどうやって俺らの考えを見通したんですか?」率直な質問だった、大羽にしてはとても考え難い単なる質問だった

「それは私も魔法使いだからよ、魔法使いにも分野があって私はこういう見通したりする分野なのよ、もちろん水晶玉がついたこの杖で」

というといきなりフェリスの手元に杖がでた

「水晶玉から覗けば貴方達の考えなんて手に取るようにわかるわ、そういう分野もあるし大羽くんは頭の回転もいいからもっと上の魔法使いになれるかもしれないからちゃんと考えてからにしなさい」

助言を受けて大羽も魔方陣を通して飛ばされた


「ここどこ?」

「ここは多分新・練修闘技場(しんれんしゅうとうぎじょう)、私も最近使い始めたばかりの場所よ」

俺が見る限りここは1つの空間らしい

「ここは城付近に特別製で作られた闘技場、丸い空間で包まれてるの、しかも城の人しか知らないし入りかたも数少ないから誰も来ない場所なのよ、だからここで思いっきり魔法をぶっぱなしたり剣を振るったりしてもいいのよ」

「寝床は一軒家なんだな、滝もあるから滝修行もできるし色んな修行が出来そうだな」

と辺りを見回しつつアオナの後に続いて家に入った

「そこのソファに座ってもらっていいわよ」

おい姉さん、ここからは女王気取りですか?なんてことは言わない、なぜならそろそろメインヒロインみたいに"さっきは助けてくれてありがとう!"的なことを言うはずであるからだ

「それじゃ、とりあえず整理に入るわよ」・・・

「カッットイーーーン!おかしいだろ!お礼は!先にお礼だろ!さっき助けたお礼は!?」

と俺がクソナにせまるとクソナは"は?なんでお礼なんて言わなきゃいけないの?私を助けるなんて普通のこと、というかこの女王である私を助けられてよかったと思いなさい!"みたいなことを顔が言ってきやがる…だがここでひいたら敗けだと思い俺は下がらずにガンをつけた

「はぁ…先程はありがとうございましたー、じゃあ整理に行くわよー」

カッチーン

「アオナ!てっめぇ、おかしいだろ!助けてもらっといてお礼ぐらい言うのが普通だろう!というかその「ありがとう」の言い方なんだよもっとちゃんと真面目にお礼いえや!というか物資ぐらい出す勢いでお礼を言え」

なんて血が昇って俺は言うがアオナはそんなの知らないみたいな素振りを見せてくる

「わかった、よーくわかったじゃあフェリスにアオナがちゃんと一般常識を教えてくれませんと城に戻って言うわ」

と言い残して俺が家を後にしようとしたら、後ろからとてつもなく恐ろしい気配がしたので振り返ってみる、するとアオナが魔法の構えらしきことをしていた

「いいの?今出たらすぐに魔法をぶっぱなすわよ、死んでも昇梨が襲ってきたとか言えばお母さんもそれなりにわかってくれると思うわ」

なんてことをコイツは言うんだ、俺の命は虫と同じ扱いなのか?

「クッ…」

今は歯を食い縛り我慢した

強くなったらコイツ一発かましてやると心に刻みながら俺はソファにもう一度座り直した

「よし、それじゃ整理いくわよまず言語はお母さんに叩き込まれたからよしと、次にお金ね、お金はコイン型だけどすぐに銀行に振り込まれるわ、その時にお金の使い方は教えるわ、んで次は昇梨がなんの職に就いたか知りたいわねカード見してよ」

俺のはカードじゃなくてパレッド型なんですけどね、なんて思いながらもイヤホンジャックを外しアオナに渡した

「……ふむふむ、はぁはぁ…わかったわ、全体的に普通だけど攻撃力と俊敏さは飛び抜けてるってほどじゃないけど抜けてるわね」あ、俺は普通なのかそうなのかでも普通が一番って言うじゃないか、なんて自分に言い聞かせる

「それで、俺はこれからどんな修行をすればいいんだ?どんなことでも頑張って耐えて強くなるけどさ!(そう、アニメの主人公みたいに!)」

なんて気合十分な俺に心がポキッと折れそうな一言が出た

「とりあえず…ショッピングに行きましょう!」

「……え?」

俺には今とても信じられない言葉が聞こえたので聞き返してみることにしてみた

「今、ショッピングって言わなかったか?」

アオナはニコッとした、そう言ったわよという顔をした

…なんだそれ…とりあえず修行じゃなく、ショッピングって

そんなことあっていいのかよ…

「なんじゃそりゃーーー!!」

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