異世界訪問者
「ぶっ、あははは!!」
俺は思わず吹き出してしまい腹を抱え大笑いした
「なによ、何がおかしいわけ?私が王女だと言うのがおかしいの?」
その王女と名乗る女の子アオナは赤面で訴えてきた
「だって、王女様ならなんで落っこちてくんだ」
「たまたまよ!たまたま"魔気"がきれたのよ!」
王女アオナ…名前が長くなると厄介なのでアオナと呼ぶことにしよう、まぁそのアオナは口を休ませることなく動かしとてつもなく多くのフォローを自分で入れた、そこへ大羽が俺らの話の間に入るように
「あの、すいませんまだ質問がお二つ程残っているのでそちらも答えて頂きたいのですが」と笑いこけている俺を無視し話の続きを始めた大羽
「あ、ごめんなさいこの変態(昇梨)はほっときましょう」
大羽のカットインでアオナは落ち着き取り戻し話を再開した
「二つ目は確かここはどこ?というとても馬鹿げた質問よね?
でも、どこから話せばいいのかな?あなた達ホントに何も知らなそうだから」
この返しの質問に対し大羽は"この星の、説明からしてほしい"と普通この星の住人は聞かない奇妙だと絶対に思われる質問を何気なくした
「記憶喪失なのかな?…まぁ、この星のことを教えるくらいどーってことないわ」
笑っていた俺もその話に興味を持ちゆらゆらと立ち上がり大羽の隣に、そして次のアオナの言葉に俺と大羽は驚きを隠せなかった
「この星の名はメドシブル惑星、通称メドシブルそしてここはメドシブルの7つの大陸の内の1つの列島の広大な高原グリーンシート」
この発言は俺らにとって失神しかねない程の発言だった
俺は驚きを心に抑えきれず思わず口から溢れてしまった
「ここは…」「本当に…」「異世界…」
俺は唖然してしまい大羽も顔をひきつらしていた
そんな中アオナはため息をついて顔を引き締め真剣な眼差しでこちらを見ながら俺らに質問しかけてきた
「ところで貴方達、名前は?」
その質問に理性を取り戻し一人ずつ自己紹介をする
「俺の名前は結村昇梨、頭脳普通、運動神経やや良い方好きな食べ物チョコレート」
「名前は武田大羽、頭は良いと思っている運動は苦手…だ」
「結村昇梨に武田大羽…ここら辺ではあまり聞かない呼び名ね」
アオナの驚きかたに俺たちは当然だ、という顔をした
「それより、最後の質問というより願いだ俺と大羽を近くの街まで案内して欲しい、頼む」
俺は一刻も早くこの星を冒険したいと思い頭を下げ言い放ったのだが…アオナはすぐにOKをだしてはくれなかった
「待ってこちらの質問に答えてからにして」
この質問に俺はなんだ、と聞くとアオナは質問しづらそうに質問した
「まさかだけど…こんなこと聞いたら失礼なのはわかってるけど…貴方達は…異星人…なの?」
その質問に大羽の脳内は物凄いスピードで回転した、なぜなら"yes "と答えるのが事実であり明白だろう…が、もしメドシブルが異星人を殺す星なら"no"と答えるのが的確で望ましい…と深く考えているのだが昇梨は大羽がそんなに深く考えているとは露知らず昇梨は口を開いた
「あぁ、そうだ!俺らは地球という星から来た地球人だ!」
と答えてしまった、大羽は唖然し青い顔になりながら俺を見ていた、するとアオナは誰もいない方向に体を向けて話始めた
「……あーー、そうだったのね、へーそうなのねー…」
と確実に焦っていると分かるような棒読みで返答した
その棒読みに大羽は青い顔から、ハッという顔になり説得…いや力説を始めた
「あ、あの地球人という異星人かもしれませんが、えーっと、そう!ここに俺らは転送、というか強制転移?させられたんですよ!だから怪しい者じゃないし、ほ、ほら言葉も通じている!だから!死刑には…」
俺は初めてみた、学校でもいつ何時でも口数が少ない冷静沈着な大羽が凄い口早で身ぶり手振りしているのを、その力説のおかげか今度は棒読みではなくちゃんとした反応をアオナはしてくれた
「え、ああ、まぁ、私も驚いただけで別に死刑とかにはしないわよ…王女だからってそこまでの権利持ってないし…ただ…ただ最近異星人による殺害が多くて」
その言葉に俺らは納得し大羽は安心したせいか深いため息をついた、まぁ確かに俺らがもしその殺人異星人だったら王女であろがなかろうがアオナも殺してたかもな
「んーー、まぁ、でもこの変態(昇梨)じゃあまず人殺しとかできそうにないし大丈夫だと思ったんだけど、大羽くんはなんか出来そう!って感じがしたから一応という形で聞いてみたんだけど…そっかそっか」
アオナの安心のしかたになんというか俺は凄い下に見られてる気がする、俺はこの世界でも下に見られてるのだろうそんなことを考えているとも知らないアオナは安心した様子でホッと一息つくと最後の質問(願い)を叶えてくれることになった
街までの道中
「あ、昇梨」
「ん、なんだよ大羽」俺は大羽と小声で話せる感覚にまで近寄った
「1つ目の質問の意図わかったか?」
と聞かれ俺は首を横に振った、すると大羽はまたため息をついて説明をしてくれた
「あの質問は、この星の人が俺らと普通に会話出来てるのに異常を感じたからだよ、もし異星人なら言語も違うだろうし話が全く通じなくてもおかしくないはずだ、でもあの王女アオナという人と話が通じた、ということは俺らは"ここの言語を話せている"ということになる」
この説明に俺は疑問に思った点がある、もしかしたら相手が俺らの言語を理解している可能性もあるのでは?という疑問だ、だが大羽は俺がその疑問点を言う前に説明をし続けた
「だが昇梨も思っただろう、相手が俺らの言語を理解している可能性があるかもと、だがどこで俺らの言語を理解したのかわからない…だがもし俺達が理解しているのならば俺達はここの言語を理解できる方法が1つだけある」
「あ、あれか!俺らを覆ったあの光か!」その返答に大羽はうなずいた
「あの光が転移・転送及びあの一瞬で俺らの頭にここの言語能力を叩き込んだのだとしたら…」
と意外にも今回俺の頭はキレがいい
そんなこんなで大羽と話をしていると
「着いたわよ、ここから見えるあの街よ」
俺らはその指された街を丘の上から見た、そこはまるでゲームでよく見るような街並みであった
俺ら3人はアオナを先導に丘をおり、少し歩いてその街中に足を踏み入れた
「ここは"幕開けの街"テタパン、旅に出た大体の人は必ずこの街に来るわ」
俺らは田舎者が初めて都会に来たときみたいにそこら中を見渡しながら王女アオナの後をついてあるいた
少し歩くとアオナは一軒のアパートらしき家の、前で止まった
「ここが宿屋よ、さ、入るわよ」
俺らは息をのみアオナに続けて入った
「いらっしゃーい、…ワッワッワッワ!これは王女アオナ様、ようこそいらっしゃいました!」
入るなり即王女様と気づいた騒がしい店主はゴマをすりながら王女様に近づいた
「こんにちは、店主今回はこの者達を少しのあいだここに置いて頂きたい、お金は後程城から払いますので」
「いえいえめっそうもございません、そちらの方々はアオナ様のお友達かお付けの者で?」
「まぁ、そんなとこどちらかと言うとお付けの者かな」
なんだろう"お付けの者"のところだけ余計に大きな声だった気がする、しかも王女感をバリバリ発揮して俺達と身分の差を見せつけているようなアオナがとてつもなくムカつく
「おお、そうでしたかではお部屋にご案内します」
しかもそれに納得し自分の仕事を進める店主にも腹がたってきたが今回は我慢だ
「こちらです」
「おお、なんかゲームの世界みたいな宿屋の部屋だな」
「お気に召されましたか、それではごゆっくり」
店主はそう言い残し部屋から出て自分の仕事に戻っていった
「それで、これからどうするよ大羽」
「どうするって言ってもな…」
俺達がこの先のことを悩んでいると
「ねぇ、城からここの分のお金は払っとくけど、慰謝料は必ず払うのよ」
そう言いながら宿屋に泊まる手続きを終えたアオナは部屋に入ってきた
「おい慰謝料って、いくらぐらいだ?」
「ざっと、500万フェリスでいいわよ」その言葉に俺は目が点になってしまった
「こほん、それより貴方達これからどうするの」
その言葉に俺らは腕を組み再度悩み始めるとアオナからこんな案が出てきた
「とりあえず職業にだけでも就いたら?それだけでもかなり違ってくるから」
お、そうだよ職業に就かなければ金も入らないし物語も進まないではないか、だが大体の異世界系物語では学業など無いのだから冒険職に就いてることが多いだから就くとすればクエストが出来る系統の職業だな
「そうと、決まれば行くぞ職業探しに!!」
と意気込み十分で行った
「いらっしゃいませ、今回は転職でいらっしゃいましたかもしくは就職でいらっしゃいましたか」
受付のお姉さんにそう聞かれると
「はい、就職で来ましたこの二人の」
「はい、就職ですねではネームカードかネームパレッドはお持ちですか」その言葉に俺らは首を横に振った
「それでは、最初にネームカードかネームパレッドを、作りましょう」
「すいませんネームカードとネームパレッドは何が違うのでしょうか」
と大羽が質問をすると後ろからアオナが説明を始めた
「えっとね、ネームカードはその名の通りカードに名前が記入されるものでネームパレッドは名前が魔法パレッドに記入されるものよ」
えっと、簡単に言うとネームカードがサラリーマン等の名刺的なやつでネームパレッドはアニメとかゲームにでてくるモニター画面のあれか
「どちらかお決まりになりましたか?」
「ネームパレッドでお願いします」
「あ、俺も」
俺らは二人ともネームパレッドにした、なぜならここは異世界なのだからネームカードとかいう名刺的なやつではなんか日本人サラリーマン気取ってますみたいな感じで異世界感がないと思ったからである
「はい、了解いたしましたではお二人ともこちらの専用ベッドに移動をお願いします」
俺らは身を流れに任せるようにしてベッドに横たわった
「では、閉まりますので指や足などを外に出さないようにお願いします」
俺らは上から降りてくるプラスチック系のものでベッドごと覆われた
「電撃が少しばかり流れますが、そこはなんとか堪え忍ぶようお願いします」え?なんだって?今なんか凄いこと言わなかっあーーーーーーーー!!!!!
「終了しました、これで終わりです」
俺らには何が起こったのかわからなかい…が、とりあえずネームパレッドができたらしい
「それでは、先程のカウンターまでお越しください」
その言葉にまたも身を流れに任せる
「それではこちらをどうぞ」
渡されたのは片耳だけにつけるBIG版イヤホンジャックみたいなものだ
「そちらを右耳に装着していただければ終了です、その前に最後確認テストをお願いしますそのイヤホンジャックについている円状のスイッチボタンを押してみてくさい」
言われるがままに操作を行うと目の前にモニターが映った
「その数字は、貴女方の数値です"1"と書かれているのが貴女方のrankです」
rank1と書かれた他にも数字が多く書かれている多分この拳のマーク的なのは攻撃力を表して足は素早さを表しているんだろうその他にも色々あるな、まぁここら辺もゲーム感覚に近いものだな
「それでは就職を決めてください」
就職には剣士、魔法使い、ガテン、獣使い、他にも細かい商人などもあるらしい、だが俺はもう決めている
「俺は王道の剣士で!」
「俺は魔法使いでお願いします」とあっさり職が決まった
俺達はお姉さんに告げるとそのモニターこ空欄だった場所に"職"というワードが付きその横に自分が選んだ職が書いてあった
「これで就職作業は終了になりますご利用ありがとうございました」
俺達は就職作業を終えてアオナのもとに向かった
「昇梨、あのエントランスのソファーで休んでるのそうじゃないか」
そこにはモニターと喋っているアオナの姿があった
「就職終えてきたぞ」
その言葉を聞いたアオナはモニターを閉じて立ち上がり、あたかも待ちわびたかのように大きなけのびをした
「それは良かったわ、それじゃ宿屋も探してあげたし私はもう行くわね」
「アオナさんありがとうございました色々と」
「じゃあまた機会があったら」
と俺達も別れを告げるとアオナは俺に嫌みったらしく慰謝料のことを叫びながら飛んでいった
俺達も次の行動に移る
「さて、とりあえずは資金集めだな」