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1ヶ月間の修行 第1週と休息

「大羽くんも頑張った方がいいぞ、ロンに抜かされないように」

「はい」

大羽は返事をすると自室に戻ろうとした

「あれ?今日は修行しないのかい?」

「自室で本を読もうと思います」

「そうか、俺の仕事場においてある、頑張れよ」

大羽は本を持って自室に戻ると本の残り3分の1の部分から読み返し始めた

「(二人とも、いい兄弟弟子になってくれよ)」


「昇梨!残り1日だよ!今日で筋肉と体力トレーニング終わりだよ?」

「そんなこと…言っても…はぁはぁ…」

「なんか文句でもあるの?」

「地球でも腕立て伏せだけ…は…はぁはぁ」

「苦手だった、なんて何回も聞いてるわよ」

俺こと、結村昇梨はアオナによる修行が始まってから1週間が経とうとしていた

「99…100!!」

「おめでとう!これで1週間目の修行は終わり!」

これで1週間が終わりなんて地獄でしかない、というかアオナはこの1週間イスから見ていただけだと思うのだが

「おい、アオナはこの筋トレとランニングやらないでいいのか?」

「体力には自信があるわ!」

「じゃあ、筋トレは?」

「…昇梨…女の子っていうのはね、筋肉があまりついていない方が可愛いと思うの?違う?」

おい、アオナ、お前絶対この筋トレの辛さわかってないだろ…

「とりあえず明日1日休みだし、何してもいいわよ」

そういってアオナは、ご機嫌がよろしいみたいで鼻唄をしながら家の中に入っていった

「なんだ、あいつ」


翌朝、俺が起きるとアオナは家の中にいなかった

俺は外に出て大声でアオナの名前を叫んだが、返事がない


プルルルルルルルッ、プルルルルルッ


俺のつけているイヤホンが震えている、そういえばあの就職を決めたところのお姉さんが震えている時は着信の時とか言ってたな、だが…今もの凄い嫌な予感しかしないのは気のせいか?…


ピッ


「もしもし、昇梨くん?」

「おはようございます、フェリス」

「おはよう、今日ね昇梨くんとアオナ、二人で使う生活費を朝方届けさせたんだけど受け取ってもらえた?」

…生活費?生活費とはあの生活費だよな

「生活費って、自分で飯買ったりとか洋服買ったりとかするやつですよね?」

「ええそうよ、しかも少し多く入れといたから」

…もらってない…俺の記憶によるともらっていない…俺の記憶が改ざんも何もされてなければもらっていない…

「俺、もらってません」

「ということは、配達の人がアオナに渡したってことだから、アオナからもらってね、それじゃ」


ピーピー


………

「アオナァァーーーー!!!」

俺は叫んだあと走って商店街に向かった

「どこだ!あのクソ姫!どこ行きやがった!」

俺が怒っているのもわかるだろう、大切な生活費をあのクソ姫は一人で…しかも何も知らない俺に何も言わずに勝手に使ってるはずだからだ!

「腹、減ったな…」

それもそのはず俺は朝起きてから何も食べず食わずで怒り狂ってアオナを探しているのだから、俺はとりあえず近くのカフェに入って時計を見た

「昼頃、12時過ぎか…」

俺はため息をしてこの店から出て帰って飯を食って家でアオナを待とうと考えたのだが、考えが変わった、この時このカフェに時計を見させてもらうがためだけに入店してよかったと心底思った

「美味しい~~」

そう、この店内の一番奥の角席、外から死角になっている席から聞き慣れた今一番聞いたらイラつく声が俺の耳に入ってきたのだ

「やっぱり~、来てよかった~、1日10個の限定商品だもの!来なきゃ、損だったわ~」

俺はそのイラつく声の方に徐々に近づく

「昇梨、昨日私が作った睡眠薬入り特性ドリンクを飲ましたから今くらいに起きてるわよね~、そろそろ帰らないとヤバイわよね~」

アオナが立ち上がるのと同時に俺はイラつきを抑えながらアオナに声をかけた

「よぉ、アオナ…おはよう」

アオナは俺が声を発するのと共に動きを止めた

「今さっき起きてさー、フェリスから電話があったんだ」

「へ、へぇ、お母さんから…で、電話なんて珍しいわね」

「しかもかなり重要でさ、生活費が送られてきてたらしくてな、しかも半分は俺のための金だって言うんだ、アオナがもらってるらしいから貰いに来たんだけど」

「と、とりあえず、家に帰りましょうか」

俺とアオナはその店から出るときその店にいた客や店員から凄い視線を多く浴びた


俺とアオナは帰宅すると向かい合って、ソファとイスに座った

「じゃあ、アオナ、俺に生活費をくれ」

「…」

「おい生活費を俺の分だけくれって言ってるだけなんだが」

「…」

「アオナ?何か言ってくれよ」

「…な…」

「なんだよ、聞こえねぇよ」

「…な…い」

俺はアオナの声にイラつきを隠せなくなり、怒鳴ろうとしたその瞬間だった

「ない!!もう残ってないの!」

俺はそのアオナの言葉に思わず笑ってしまった

「おい、待て待て、アオナ冗談はやめてくれ?」

「冗談じゃないわ!食事と買い物に全部使ったの!」

嘘だろ…コイツ、やべぇ

「じゃあ、俺の分の金もねぇっていうのか!?」

「そうよ!何か悪い?」

おい、コイツ、開き直りやがった!…なんなんだ?自分の欲しいものだけ買って俺にはなんもなしとか…

「あ、そうか、わかった」

俺はアオナの横に置いてある買ったであろうモノが入っている袋を掴んだ

「何してるの?」

もちろんアオナはそうはさせまないと袋を掴む

「いや、売ってくる」

「バカじゃないの!!わざわざ買ってきたのに売るとか!何を考えてるの?何を考えればそういう手段を選べるの?いつもどんなこと考えればこんなことを思い付くわけ!」

このやろう…人の金を使っておいてよくその口からそんな言葉が…そんな言葉がよく出てくるな!このお姫様は!!

「ちぎれる!ちぎれる!」

「このさいだ!ちぎれちまえ!」


ビリビリビリッ!!


袋は紙袋であったため容易に破けた、そして中身はばらまかれた

「アッ!」

「知ったことか」

アオナは今にも泣きそうな目をしながら、ばらまかれた洋服を集め始めた

「ばか…」

小さな声でよく聞き取れなかったが、アオナの口からばかという声が聞こえた

「なんか言ったか?」

「バカ!いいじゃない!久しぶりにお金をお母さんから貰えて嬉しくて…嬉しくてつい使っちゃったのよ!いつも!いつもお母さんは自分の財産から出しなさいっていうから初めてだったのよ…お母さんからお金をもらうなんて…それで…」

なんか、俺は物凄く悪いことをしてしまったようだ…

「その、悪い…」

「別に謝られたいわけじゃない!!」

「…ごめん…」

「私も勝手に舞い上がって…昇梨のお金も勝手に使ってごめん…」

俺はその勝手に俺の金を使う姫様に泣きながら謝られ、どこか心が痛かった

「それで、昇梨は何が買いたかったの?」

アオナは中身を全部拾ってソファにおくと質問をしてきた

「別に、その二人で暮らすための食料とか」

「え?そんなの家の外の食料庫に入ってるわよ」

「じゃ、じゃあ洋服とか」

「気に入ってもらえるかわからないけど、それは私が買っといた」

じゃあ、アオナは俺のためにも買い物をしていたってことになるのか?

「アオナ、俺にも何か買っといてくれたの?」

「当たり前じゃない、洋服とアクセサリーを一つ」

俺はなんてことをしてしまったんだ…勝手にアオナが自分の分しか買ってないと思い込んで、店で注目を浴びて恥をかいて、家に帰ってきて喧嘩して…俺のただの激しい思い込み…

「でも、昇梨のお金を勝手に使ったのは、ごめん…」

「いや、なんていうか俺、勝手にアオナが自分の分しか買ってないのだと思い込んで、そのごめんな」

俺らはそれぞれ謝って誤解を解いた、それとアオナの顔に笑顔が戻った

「まぁ、でと私の買ったモノと食事が8割ぐらいなんだけどね」

「は、8割!!」

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