天才中級魔法師
次の日
それは大羽の初めての修行だった
「では今日から本格的に修行を始める」
修行場所は昨日ロンと闘った闘技場だった
「あの、ロンさんは?」
「ロンは昨日全力を尽くして寝ているので今日は休みだ、しかもロンは大羽くんよりも段階が上だ、だからロンに追い付けるよう努力しような」
ウィザン師は大羽の胸に拳を当てて笑顔でそう言った
「今日はまず魔気の使い方だ、昨日の大羽くんの魔気の操作は本を読んで自己流で魔気を操作していたと思うがとりあえず基本的やり方でマスターしてもらおうと思う」
大羽はウィザン師に言われるがままに本には載っていなかったやり方で魔気の操作を始めた
「そうだ!上手いぞ!さすがだな」
「ありがとうございます、ですが今のでいいんですか?」
「昨日の大羽くんのやり方は身体中にある魔気が循環して手に来たらようやく使えて放出、というやり方だったのだが俺の教え方は身体中の魔気を自分の思うがまま言えば自由自在に集めるというやり方なんだ」
大羽は2時間後程度でウィザン師のやり方をマスターし始めてきた、それと同時にロンが闘技場にやって来た
「おう、ロン」
「おはようございます」
「ウィザン師、大羽さんおはようございます」
ウィザン師は大羽に魔気の操作の練習を続けるように言ってロンの所へ向かった
ウィザン師はロンに体の調子を聞いて早速ロンにも修行を始めさせた
「それじゃあ、ロンよろしくな」
「はい!」
ロンに修行内容を伝えるとウィザン師は大羽の元へ帰ってきた
「いやぁ、すまんすまんロンに今日の…予定…を…」
戻ってくるやいなや大羽は完璧に魔気の操作をマスターしていた
「これで大丈夫ですか?」
「大羽くん…本当に君は凄いな!よし!次だ!」
次の修行は本にも載ってあったように手から炎・水・光・闇を出すという基本的な、まぁ修行というよりテストだ
「火…水…闇…ッ…」
大羽は光魔法が苦手なようだ、ウィザン師はすぐに大羽にコツを教えた
「光は太陽をイメージすればいい」
「太陽…」
「太陽出たーーー!!え!大羽くん!太陽だよ!それ!」
大羽はあまり気にせず火からもう一度出した
「闇…太陽…」
「待って、成功してるけどそれ太陽!光じゃないよ!ある意味光だけど!…まぁ、俺が太陽をイメージすればいいと言ったのだから俺にも非があるとは思うが…」
ウィザン師はそんなことを言いながらもOKサインを出した
「次は魔方陣だ、魔方陣というのは…」
「出来ました」
「早ぇよ!説明もしてないのに…って完璧じゃないか!」
その大羽とウィザン師のやり取りを上空からロンは見ていた、なぜか、それはロンの修行は空を自由に移動し加速・急停止できるようになるための修行だ
「大羽くん、本当にあの本全部読んだの?」
「はい、読みました」
「君、本当に凄いね、宇宙人なんじゃないの?」
「(いや、あなたからしたら地球人という名の宇宙人ですよ)」
「ロンは全部読んだ!とかいって読んでないページもあって、それが今修行している空中魔法なんだけどね」
そんな世間話をしながら大羽は修行に身をいれる
「次はだな、ってやはり段階を踏むのが早いな…ここは一つテストをしようと思う」
「ならウィザン師、テストをしませんか、とりあえず今までのを全て出来るかどうかを」
「(大羽くん、それ今俺が言ったよね?…ま、いいんだけど…)」
大羽は早速テストに入った
「まず魔気の操作だ」
「はい」
大羽はなんなくクリアをした
「次は魔方陣だ」
「飛ばしてますけどいいんですか?」
そんなことを言いながらも先程より出来の良い魔方陣を大羽は生成した
「コ、コホン!さ、最後に」
「火・水・闇・光…光……」
大羽はまたしても光の魔法を出せないで止まった
「大羽くん、太陽だ太陽」
その言葉を聞いて大羽は太陽を出した
「いや!違うけど合ってる!」
大羽の苦手所は光の魔法らしい、自分でもわかっているらしく今日の修行はこの光魔法にあてたいと大羽はウィザン師にお願いをした
夜中になると大羽はもう一度自室から闘技場に向かった
「大羽さん?」
闘技場に向かう大羽をトイレの帰りで発見したロンはこっそり大羽の後についていった
大羽は闘技場に到着すると本を開いて読み始めた
「(なんの本を読んでいるんでしょう?)」
「(光の魔法は光っているものをイメージすると操りやすい…か)」
そんな大羽のことを見ているロンの後ろには黒い影が迫っていた
「なッ!!!」
「シッーーー」
その正体はウィザン師だった、そしてロンはおさえられた口を剥がし小声でウィザン師と話始めた




