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1.トラックで異世界転生して女神にチートスキルをもらうまで。

 突然、目の前に黒い大きな穴が開いたかと思うと、そこから大型トラックが飛び出してきて俺を轢いた。

 派手なきりもみで宙を舞いながらこれまでの人生が走馬燈のように脳裏を過ぎる。


 こんな人生どん詰まりの不良娘ヤンキーだが、せめて彼氏作ってイチャコラしたかったぜ。花の女子高生にもなって処女バージンで死ぬとか哀れ過ぎンだろオイ。

 でも悔やんでも後の祭りだ。数瞬後には俺は地面コンクリに叩き付けられてツブれたトマトみてーになって血祭りだぜ。


 そう思ってたら、これまた突然地面に黒い穴が開いて、一人スクリューパイルドライバー状態の俺は吸い込まれるようにしてその穴に落ちていった。




(いったいどこまで落ちるンだよ?)


 一面真っ黒い穴の中を、未だにきりもみながら落ちていく俺。

 するとティンカーベルみてーな小さな光がふよふよと近づいてきて、俺に話しかけてきた。


『さあやって参りました今日の異世界転生のお時間です! 実況はこのワタクシ女神と! 解説はこのワタクシ女神でお送り致します!』


 訂正。

 一人で勝手にしゃべり出した。


『今回の転生者は逆神梅虎さかがみうめとらさん! 清く正しくたくましくを絵に描いたような好漢で、おまけに喧嘩もサイキョーブリバリです! これならワタクシを異次元こんなところに封印した憎き魔王なんてあっという間に倒してくれそうですね~女神感激です!』


 はぁ? なにいってだこいつ? つか逆神梅虎って俺のクソ兄貴じゃねーかよ!


「オイ! ひょっとしてオメー、兄貴と俺を間違えてねーか!?」

『おーっと! ここで転生者が初めて口を開いたァァーッ! 早速インタビューを行いたいと思います! 今のご気分をシルブプレ? 梅虎さん!』

「だから俺は梅虎うめとらじゃねー! 妹の虎梅とらうめだッ! よりにもよってクソ兄貴と間違えてンじゃねーよこの腐れホタルがよォ!?」


 確かに名前は似てっけどよォ!? つか漢字ひっくり返しただけだけどよォ!?


『………………』

「いきなり黙るンじゃねーよ!?」


『さ、さぁ! 転生完了まで残された時間は僅か! このワタクシ女神が最後の力を振り絞り、アナタに様々なチートスキルを授けましょう! それで転生先の世界で悪事の限りを尽くす魔王を倒してくださいお願いします! う・め・と・ら・さん!』


 こいつ! 強引に押し通すつもりだな!?


「おいばかやろーっざっけんな! つか何が転生だよフザケやがって!? さてはさっきのトラックもテメーの仕業だな腐れホタル!?」

『ひゅ、ひゅーひゅー』

「口笛吹けてねーから!?」


 直後、遙か下方に小さな光が灯る。

 その光はどんどんでかくなって、やがて周囲を満たしていく。


『それでは異世界転生、がんばってください! ワタクシの授けたスキルをうまいこと使えば、チートでもハーレムでも奴隷ちゃん治癒ポにNAISEI孤児院ごっこでもやりたい放題できますよー! 魔王さえ倒してくれれば、後は好きにして結構ですよー! よー! ょー――』


 チクショウ! 言ってる言葉の意味が99%わからねェ!

 魔王を倒すってなんだ!? ドラクエか!? エフエフか!?

 クソッタレ! 何がなんだからわかンねェが、いっちょやってやるか!



 ――って、なるかボケェエエエエエ!!! テメェ、アタマ沸いてンじゃねェか!?

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