第12話 その5
ギルドに連絡し引渡しする事になったが、やはりこの事態を説明するにはノームの存在が必要であり、長老の判断でノーム族の公表が決まる。
だがこれは関係者にのみ適応される事であり、一般市民においてはその対象とはならない。
4精霊の相互関係と共に、情報は一部街全体に流されて行き、今回の街へのモンスター襲撃事件は精霊のバランスが悪いので起きたことであり、自然との調和と、他種族との交流を深める事が重要であると結論付けられた。
街はそれからすぐに活気を取り戻していく。これにはもちろん陰から支えるノームの影響もあったし、何よりも街の人間が、活気を取り戻そうと取り組んでいた姿勢も大きかった。
そんな中、事の転末を見届けようと数日街の宿屋に留まっていた俺達の元へ、ギルドから連絡が入る。
コンコン、というノックの音に「空いてるよ」と答えて部屋へ招き入れる。
「ギルドにリョウタさん宛の書状が届いているそうです」
「俺に? 冒険者同士の交流会か何かかね?」
「内容は分かりませんから、これからギルドの方へ行ってみませんか?」
「そうだね、エリシェはもう支度済んでるの?」
「私の方なら大丈夫ですよ」
「そっか……しかし、進展だよなー」
「何がですか?」
「男の部屋にあっさり入れちゃうなんてさ、結構信用されてんのかな?」
「信用してますよ」
これなら「……なんなら着替えも見てく?」なんて言っても……ダメだよなぁ、やっぱり。などと考えてるうちにエリシェは部屋の外に出てしまった。もう少しエリシェと過ごす時間を楽しみたかったのにな……。
支度を整えてギルドへ。
「これが、書状か……なに? アルカナサバイバルへの参加要請?」
「エドの街ですね。でもそんなの参加資格なんて無いはずですけども……?」
「いや、それがさ、アルカナサバイバル――闘神祭――って書いてあるんだよ……しかもエチゴ国」
「ええ?! 闘神祭をやるんですか?!!」
「……その、説明よろしく」
「あ、そうでしたね……闘神祭というのは女王様のお相手を決めるお祭りでして……」
「お相手って……その、結婚みたいな事したりするのかな……?」
「そうなんですけど……どうしてリョウタさんに直々に……」
「俺のモテ期が最高潮なのか?!」
「いえ、でも、女王様に直接お話を伺った方が良いかもしれませんね」
「うん、何か事情があるのかも」
「マキナ達はどうしましょう?」
「どっか依頼でも行ってんの? しょうがないなぁ……係員に言付け頼んで、先に向かおうか」
「そう、ですね……」
「ん? どしたの? エリシェ」
「いえ! 何でもないですよ」
なんだろうね、闘神祭に出ると王様になれちゃったりするのかな? エリシェの態度もなんだか不自然だし、どうにも困ったもんだ。
「とりあえず馬車だね」
2人への言付けを頼んで、エリシェと2人きりでの馬車ツアーになる。……さっきのがヤキモチだったら良いのにねぇ、などと期待しつつも、でも、期待して外れたりすると本当にがっかりしちゃうんだよなぁ。この加減が俺って本当に苦手で……。女心は分からないままだ。
そうして、馬車に乗って移動を開始する。
ずっと無言というのも無いものだし、さっきの闘神祭についてもう少し話を聞いてみようか。
「闘神祭の事ですか? そうですね、国内のお祭りとしては最上級のお祭りですね、何しろご結婚が決まる訳ですから」
「まあ、言わなくても分かってるとは思うけど、俺はずっとエリシェとの旅を優先するつもりだからね?」
「……!!」
「あ、いやーその、ヤキモチ焼いてくれてたら嬉しいなーみたいなさ……あはは、先走っちゃった」
「いえ、その……ホッとしました……」




