第11話 その5
街に今更帰ったところで、手がかりなんてあるだろうか? それならエルフ達、その中でも特にあの正体不明のエルフ(ペット依頼の時の)から話が聞きたいところだ。
エルフ=人間嫌い
そんなイメージと違ってあのエルフにはどうにも、不思議とこちらを見透かしたようなところがあったからだ。
ただ、どこへ行けば会えるという保証もなく、その上会ったことは他言無用とか言われてるんだよね……。
聞かずに探すのは難しい。 それなら街に戻って情報収集に努めるべきだろうか? もしかしたらこの数秒が手がかりに繋がるかも知れないんだ。 ……街へ戻るか?
さっきの自分の思慮の浅さに自信喪失気味で思考が鈍い。
リョウタ
「街へ戻るのが……いいよね?」
エリシェ
「……? どうしたんですか? リョウタさんの思う通りに行動してください」
エリシェはなんだかんだで勘が良いのかも。 俺が腰砕けになっちゃだめだよな。
リョウタ
「まだ、目撃情報とか取れるかも知れないし、街への帰還を優先させるよ」
マキナ
「はい、では私達はこっちでコーリングしますね」
……コーリング後、街のどよめきが大きい気がする。騒ぎの中心に近付いてみるが、兵士らしき武装が数名と物凄い人だかり。
リョウタ
「何かあったんですか?」
通りすがり
「ああ、なんでも殺人事件なんだとさ……さっきからお城の兵士が聞き込みしてるよ」
エリシェ
「街中で……?!」
リョウタ
「まさか、とは思うけど……今は情報を集めて行こう、後、必ずサマナーと冒険者はペアで動いて、ロミオはそっちでそのままサポートよろしくね」
マキナ
「えっと……? ひょっとしてまだこの街に犯人がうろついてるって思ってるんですか?」
シックザール
「念の為、だろ、ちゃちゃっと聞いて回るぞ」
リョウタ
「それじゃ、最近コーリングで街に到着してて、それでいてサマナーだけの人を探すからね、特徴を教えてくれる?」
シックザール
「いや、そりゃあ必要ないな……、さっきのヤツだが、殺されてる」
マキナ
「え?! 見えたんですか?!」
シックザール
「見えたのは俺だけだったが、こりゃあトカゲの尻尾切りに会ったって事か?」
リョウタ
「なんで、そんな簡単に人を殺せるんだよ……」
リアルでもゲームでも、同じような事件が多発してる。いや、ゲームの中では初の出来事になるのか。て事はゲームの中の方が安全? ……これは流石に笑えない。
俺の判断でミスがあったか……? 俺のせい……ではないよなさすがに。
リョウタ
「んー……、ちょっと休憩しよう。考えがまとまらない内にドンドン変な方向へ歩いて迷子になってるような気がする」
エリシェ
「そうですね、まずは宿を取りましょう」
もしも犯人を捕まえるのなら、もちろん速い段階での捜査が必要んだんだと思う。 警察関係のドラマなんかでやってるよね、初動捜査が1番肝心なんだと。
でも、それでも休憩を選んだ。
合ってるのか間違ってるのか、今のところは分からないままだ。それでも白昼堂々と殺人なんて、そんな事、これで目撃証言が得られない訳はない。
そうした捜査、通常行いそうな事は兵士達が進めてくれるはずだ。
それなら、俺は一旦休んでもいいんじゃないか。仲間の体力も気になるところだ。……疲れとは、身体の事じゃなく精神的な方で。俺がこれだけ疲れてるって事は仲間も相当なんじゃないかと思う。
特に、今回はサマナーが殺されている。エリシェやマキナさんは他人事じゃない。怖いはずだ……。
裏にサマナー同士の小競り合いのようなものが存在するのだろうか? それともやはり、もう一方の考え方として。今回も悪しき冒険者も関わっているのだろうか?
もしそうなら今までのようなサマナーに魔力を切らせて、戦力を奪ってという方法が効かない。これが一番最悪な流れだ。




