第11話 その2
エリシェ
「それで、均衡を保ててない種族も居るんですか?」
ジュリア
「あ、はい、私達ノームも均衡というところからすれば外れているんですよ、地属性である人間が増えすぎていて、私達と連携する事は許されませんし」
リョウタ
「ん?? じゃあ俺達とも連携? 出来ないんじゃないの?」
ロミオ
「それが、長の言う事なんだから間違いないとは思うんだけど」
エリシェ
「もしかしたら、均衡の役に立つから……貢献度のようなものがあるのかも知れませんね」
リョウタ
「ん、そうだね、それなら分かるよ」
エリシェ
「均衡を保つという事はエルフの方々の役割だと聞いてましたけど……」
マキナ
「あ、授業でそんな事やってましたね」
リョウタ
「その連携って具体的に何が出来るの?」
ロミオ
「おっとぉ、それ聞いちゃうぅ? 俺達ノームの幻影が使えるようになるんだ」
リョウタ
「幻影……?」
ジュリア
「4種族にはそれぞれ得意な魔法があります、その内のひとつ、地の人間には幻影が与えられるのです」
エリシェ
「そうなんですか……これは初耳ですね……」
リョウタ
「エリシェが分からないんじゃ俺が分かる訳ないよなぁ」
ロミオ
「具体的には、地の人間に幻影、水のメロウには時空、火のドワーフには合成、天のエルフには召喚って感じなんだ」
リョウタ
「ややこしい……しかもエルフって風なんじゃないの?」
エリシェ
「……その辺は聞いてますよ、天、天空を司る者、これが風を操る事に繋がって行くんですよ」
リョウタ
「覚えきれるかな……暗記弱いんだよなぁ」
マキナ
「私も……ちょっとしか覚えてない事ですねぇ……確かエルフさん達が召喚魔法を基本にして魔法の体系を作ったとか」
リョウタ
「この幻影って……スキルになるのか……?」
エリシェ
「そうみたいですね、ここですぐに変更という事は出来ないでしょうけど」
リョウタ
「それでも、隠す意味が分からないんだよなぁ」
エリシェ
「どう言う事です?」
リョウタ
「人間増えすぎたって、何が困るってんだ?」
ロミオ
「うん、そこなんだ、問題を起こしてるのは」
リョウタ
「??? どういう事?」
ロミオ
「俺達ノームは人間に力を貸すことが出来なくなった」
ジュリア
「……悪用を始めたんです……」
リョウタ
「またでやがったか……悪徳冒険者め」
ロミオ
「いや、悪事を働く様になったのはサマナーの方だゼ……」
エリシェ
「!! そんな?!」
リョウタ
「どうやって悪用してるの? それが分からない事には何とも言えない」
マキナ
「私達も、多少は魔法が使えるんですよ……もしかしたらサマナーの魔力でもそれは出来るって事なんですか?」
ジュリア
「そうですね……サマナー達の中でも、最もタチの悪いダークサマナー。 彼らは召喚術を、冒険者を呼び出すのに使うのではなく、モンスターを使って略奪する事を生業とする……全種族の敵です」
リョウタ
「モンスターの召喚?!」
エリシェ
「……そんな事が出来るんですか?」
ロミオ
「幻術の効果を使えば、出来ちゃうんだよぉ」
リョウタ
「なるほど……もしかして、長老? が俺達にやらせたい事ってそのダークサマナーの始末?」
エリシェ
「……!!」
ジュリア
「私達精霊は、人間がそれを始めてしまった事を長らく監視してきました」
マキナ
「人間……私達が……」
リョウタ
「……強い力持つと誰でも天狗になっちゃうって事か」
エリシェ
「テング……?」
リョウタ
「ああ、この世界には居ないか……つまり、傲慢になっちゃうという事かな?」




