第11話 「コロンブス」
エリシェ
「せっかくですから、ノーム族のあの2人にも会って行きませんか?」
馬車での移動中にエリシェからの突然のお誘い。 俺達はマキナさん、シックザールを加えて、4人でシナノの街まで向かっていた。
街まではもう少しの時間がかかりそうだ。
リョウタ
「そうだね、多分色々と、あの髪飾りがあったから優遇されて来たんじゃないかとも思うしね」
シックザール
「ほほぅ、なんか妙なお願いをされたよなぁ……あの時は」
商人の依頼を受けて、それでいてその商人の邪魔をしてくれという……、まるで意味不明なお願いを聞いてくれたこの2人なのだ。 会わせても何にも問題ないだろう。
ノーム族は成人しても子供の姿のままで、それ故か? イタズラ好きなのである。 この前はそのイタズラが度を越えてて……まあ、酷い目にあったもんだ。
マキナ
「ちゃんと話してくれても良かったのに……って忘れちゃうんでしょうけども」
エリシェ
「じゃあ、寄ってもいいんですよね!」
リョウタ
「お持ち帰りはナシだよ?」
エリシェ
「そ、んな、つもりはないんですよ?」
何故どもる(笑)バレバレ。
街の入口付近。 ここであの依頼を受けたんだ……きっとあの建物に行けば会えるだろう。
建物というか廃屋だったね、結構ボロくて、中は暗くて。 前はエリシェと入り損ねたが……今回はエリシェの方が乗り気なんだし、暗闇を進む時の男としてのこの立ち位置。 とは言え今回は4人だもんなぁ……。
あんまし怖がってくれないかも。
……そうこう思索している間に北シナノに着いた。
馬車の操手
「本当に街中まで行かなくて良いのかい?」
リョウタ
「はい、ここまででいいんですよ、ちょっと寄りたいところもあるので」
馬車の操手
「それならいいんだけど、お金は負からないんだからね?」
リョウタ
「分かってますって、ではまた」
エリシェ
「確か向こうの、道を跨いで更に奥にケモノ道があったんですよね」
リョウタ
「うん。 連絡手段がないんだから、これで会えれば良いんだけどね」
という杞憂も、やはり行けば何とかなるもんだ。 廃屋に着いた時には辺はザワザワとしていて……。 中に入ると簡単に2人を目にする事が出来た。
ロミオ
「あ! 兄ちゃん! 待ってたんだよう?」
ジュリア
「お久しぶりですね」
リョウタ
「なんだ? どうしたんだ……なんてか秘密行動取らなくても大丈夫なの?」
ロミオ
「それがさ、ノーム族の長からは協力するように言われててね」
エリシェ
「どういう事でしょう?」
ジュリア
「それには……私達がどうして姿を隠すようになったのかというところから話さないといけませんね」
リョウタ
「あ、その前に紹介しとくよ、前に協力してくれたサマナーと冒険者、マキナさんとシックザールだよ」
お互いの挨拶も程々に、話を元に戻してジュリアが語り始める。
ジュリア
「長老様のお話では、私達精霊の均衡が狂っているというのは皆さんご存知でしたか?」
マキナ
「あ、ちょっと話に聞いてたくらいですねぇ……」
リョウタ
「うん、結構前になるんだけど……多分、均衡を保つという観点からだと思うのが、メロウ族の救済、あれ、役に立ってたのかな?」
ジュリア
「ええ、私達精霊はバランスが取れて居ればこうして実態化出来るんですよ」
シックザール
「ほう、実態化……ね、なんだ、難しい話しなら俺は聞かなくていい。 少し休んでくるぞ」
リョウタ
「ええ? 気にならないの?」
シックザール
「単純な話しなら良いんだけどもなぁ……後で、テキトーに説明してくれ」
マキナ
「……もう、しょうがないんだから……」




