第9話 その8
失声症(しっせいしょう、Aphonia)とは、主としてストレスや心的外傷などによる心因性の原因から、声を発することができなくなった状態。一見同じような「発声器官に問題はないのに、ある時を境に喋ることができなくなった」状態でも、脳の言語野への物理的な障害により語彙記憶や言語の意味理解などに困難をきたした「失語症」とは異なる。
臨床心理方面では、場面失語という用語をも使う。(親しい人とは話すのに、ふつうの人とは話せないなど)ラテン語の日本語訳が、学派によっては定着していない可能性がある。
※以上Wiki調べ。
小学生の頃の話だが……話せなくなる程のストレスを子供に与えるという『学校』という施設は、俺にとっては無法地帯という印象でしかない。
相手も子供なのだから、まあ、矛盾したことだらけの世界であるし、そもそも解決方法がない。
あんなところへ子供を放り込むなど……危険極まりない。
だが、恐ろしきかな義務教育。
荒療治と言える、ただ学校に通わせるだけという選択をした両親の選択は合っていたのか間違っていたのか。
とにかく、俺はそこから這い上がることは出来た。
一歩間違えばどうなってたのか。
これ以上は語るまい……。
さて、他のメンバーに関してはいつもと変わらないように接してくれと頼んでおいたが、怒らせたら1番マズイタイプというレッテルを貼られる結果となった。
まあ、別にそれはそれで構わない。
旅に支障が出るような事はないだろうし。
それぞれが、ノームの記憶を残す為のキーアイテムを取得しエリシェも、あのロミオとジュリアの事を思い出していた。
エリシェ
「リョウタさんは記憶が消えずに居られたんですね……」
リョウタ
「まあね、話したところで忘れるんだから、話す事も出来ないし……困ったもんだったよ」
エリシェ
「でも、ノーム達の話も気になりましたね」
リョウタ
「世界のバランスが狂って来ている……とか言うやつね」
マキナ
「あの、メロウ族の事が救えてないんでしょうか?」
リョウタ
「……どうだろうね、まあ、実際なにもやれてない気はしたけどさ」
エリシェ
「4種族……もしかしたら、千年樹の祈りの詩とも何か関係があるのでしょうか?」
リョウタ
「千年樹? 何かあったっけ?」
エリシェ
「もう、忘れてるんですか? 簡略化されてはいますけど、要点だけ言えば……4つの属性を持って千年樹を守るって……一番最初のカード登録の時に詠唱したじゃないですか」
リョウタ
「はは、ちょっと覚えてないや」
エリシェ
「もしも、あなたを守りますという部分の、あなたというのが千年樹の事なのだとしたら……私達は今、ノーム族の加護も得る事がのだし、きっと、何か守るような……そういうモノに巻き込まれているのかも知れません」
マキナ
「そうですね、私達は選ばれし旅人なんですよ! きっと」
シックザール
「なんじゃそりゃ……」
リョウタ
「今度、時間を作って千年樹に行くのもいいかもね……でも、その前にスキルの調整がしたいな」
エリシェ
「え? まだ取れるんですか?」
リョウタ
「コストの問題上、何かを外さないといけないけど、まだ納得行くようなスキルになってないからね……」
シックザール
「おま、これ以上強くなる気なのか?!」
リョウタ
「まあね、まだまだ序の口でしょ」
エリシェ
「そうですね……路銀にも、もう少し余裕が欲しいですし」
マキナ
「シックザールはもっと強くなっといて欲しいですね!」
シックザール
「簡単に言うなよな……」
旅の方針もある程度決まって来た。 千年樹にもう1度寄って具体的な解決策みたいなものがあるのなら……それを率先してやるという事。
ひとまず、今回の遭難の件に関してはここまで。
旅はこれから千年樹の守護を目的とした旅になりそうな予感がするが、今日は休みたい。
まずはゆっくり休んでから考えよう。
――第9話 終わり――




