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第2話 その3

 千年樹で得たカード「あきひさ」これが自分と変わらない程度の弱さであったがそれでもメンバーに入れることで戦略に幅が出てきていた。しかしそのあきひさがタイムアタック中にやられてしまう。


 タイムアタックを終えてカード「ひめ」を手に入れたがヒーリングのスキルがあるだけで弱い、リョウタとそれ程変わらないカードであった。

 一旦席から立ち上がると親友の渡部の姿があり、

 バッタリ出会った友人にゲームの雑談がてら何か食べようと誘われる。


 次ページでも解説あります。

 牛丼屋にて


「リョウタ、シルフの加護持ってるんだ?」


 こちらの情報などあって無いようなもの。 それでもやはり出たばかりのゲームならではの高揚感が2人を支配している。


「いやあ、最初にドローで引いたカードに付いてたんだよ」


「ああ、なるほどねー、上位になるとシルフの加護は必須らしいよ」


「おー、じゃあ、あれは良いカードだったのかね」


 結構自信満々、なにしろあの最初の2枚だけは何か別格に強かったのだから。 しかし……


「まあ、普通なんじゃない?」


 返ってきた答えは、かなり呆気ない。


「あれが普通って、もっとイイモノ揃えてる人ばっかしなのか?!」


「んー、俺の見てる板だとそうなんだよね」


「どうやって揃えてるの……2枚はまあ強かったけど、もう2枚はちょっと数字がザコくて、使ってみても弱い感じだったなぁ」


「なんかね、やり込んでる連中同士で集まって、フレンド登録で良いチームみたいなの作ってるらしい」


「フレンド登録?」


「ああ、筐体5つあったろ? あの1つだけ違う筐体のとこでフレンド登録とか、カード編成とか、戦歴見れたりとか、色々出来るよ」


「それ見逃してるかも……」


「まあいいや、後でフレ登録しちゃおうよ」


「オッケー」


「ロケテ始まってもう2週間くらい経ってるみたいだし、もうそろそろ正規のバージョンが始まるだろうし、なんかちょっと楽しいよね」


「あー、分かる分かる! なんか、カードのドローとか、普通にいいよなぁ」


「俺もこの前見つけてさ、次の土日あたりにみんな呼ぼうかと思ってたんだ」


「そうか……カードどれくらい育った?」


「俺はモーニングスターとボウガンを4までと、スキルはアタックが3、プレッシャーが2だったかなー」


 ?! なんか結構先行してませんか? 


「なんか、既に差が開いてない?」


「全然だって、これくらいはすぐだし」


「そうかねぇ……」


「それよりスキル取りに行ったほうがいいよ」


「スキルか、ちょっと考えてはいたんだけどね」


「なんかね、今のとこ確認されてるスキルは16種類なんだって、そのうち3つから選ぶようになるんだけど」


「16か、思ったほど多くないね」


「これから増えるんでしょ」


「スキルはとりあえずなんでも良いから欲しいって思ってたけど、渡部は選んで取ったの?」


「いや、俺もとりあえずのやつだよ」


「そうか、じゃあ一緒にやろう! 何ルートだっけ?」


「Dルートだよ、まあ戻ったらすぐやろうか」


 どんぶりメシをガツガツとかっ込む。 牛丼に紅しょうが、とん汁。 これでリアルなHPは回復したかな?


 牛丼屋を出て、ふと思い立った。


「これ、小説にしたら面白くないかな?」


「え? いやあ、難しいんじゃないの?」


「でもさ、なんていうか、リプレイ? みたいな感じにしてさ」


「そらまあ、やれなくはないだろうけど」


「いける気がするんだけどなぁ」


「無理だ、とは言わないけどさぁ、世の中にどれだけ同じようなものが出回ってるか考えてみれば、簡単には行かないよ」


「まあ、そうだよなぁ、ラノベ、アニメ化、マンガ化、やたら周りにあるもんなぁ」


「うんうん、だいたい、同じタイトルのマンガなのに2人が別々に書いてたりして、え? この1巻とこの1巻は違うもの? みたいなやつさえあるし」


「難しいかなぁ」


「うまく波に乗れりゃあ、そりゃあいいだろうけども」


「甘いかな……?」


「いいんじゃないの? 俺はとめないよ。 難しいとは思うけど」


「それはどういう答えなんじゃ!」


「……まんまだよ、まあでも、あのごちゃっといっぱい並んだ作品の隙間を抜いていくってなるとね」


「それは考えなきゃだよなぁ……、作風を簡単にマネ出来たら、次々同じようなのばっかだろうし……、渡部も書くような事言ってなかった?」


「ああ、結局色々みてただけでお腹いっぱい」


「なんだ、書いてないのかぁ」


「仕方ないじゃん、今は忙しいんだから」


 ……確かに、彼の職場事情は厳しい。 そんな事は知ってる。 だけども、それでも『何か』を書こうとしているという仲間が欲しかった。


「リョウタはそれ系の学校行ったんだし、やれるんじゃないの?」


「あれは、まあ、マンガだけどな」


「マンガの学校だって相当いい経験なんじゃない?」


「……うーん、まあ、確かに行かないよりは良かったって思えるけどもね」


「なら、いいじゃん、YOU 書いちゃいなYO!」


「ははっ……そうだな、まあ体当たりで書くしかないよな」


 牛丼屋からゲームセンターまでの距離は直線距離で約100メートル。 話しながらだとこんな距離はあっという間だ。 ゲーセンに帰ってきた俺たちは、まず、フレンド登録から始める。


 登録されたフレンドは、コインを使わずに復活出来るようだ。 フレンド登録されたカードさえあれば、それが可能なのだ。


 つまり、友達が居る間はそのカードだけは復活させやすいというメリットが生まれる。


 多少やられても痛くないってのは、今は心強い。


 フレンド登録されたカード


 狂戦士ヨシテフ モーニングスターLV4 ボウガンLV4 HP700

 スキル アタックLV3 プレッシャーLV2 コスト232


「登録出来たみたいだな?」


「ヨシテフって、またこの名前使ってんのか」


「はは、まぁね」


 心強い味方が、カードとしても加わった。



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