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第8話 その7

 祭りにまで進化した集まりは、メロウ族と人間の間にあるわだかまりを沈めるには充分な効果があった。


 そして、この祭りが続くこと3日。


 ワカサの街の人間とメロウ族との交流が近隣にも効果を現す。 その頃には、ロコの表情にも自信のようなものが見て取れた。


 メロウ族の兄妹と別れの挨拶をする。


 リョウタ

「なんだか今回は何にもしてないように思えるよ……」


 エリシェ

「……本当はみんながこういう状況を望んでいたのでしょう、だからこんなにスムーズに人が集まって来たんじゃないかって思います」


 ロコ

「でも、こうして人とメロウ族が交流してる姿を見ることが出来たのは……やっぱりリョウタさんのおかげだって思ってる」


 リョウタ

「人がメロウ族を避けてたのって、つまり人魚伝説とここらのメロウ族とを同じように思って居たのかも知れないね」


 ロコ

「ああ、リョウタさんの世界にあるって言うやつかい?」


 リョウタ

「うん、人魚って日本……俺の居た世界では、割と誰でも知ってるんだけどさ、どれもハッピーエンドじゃないんだよね」


 エリシェ

「どんなのがあるんです?」


 リョウタ

「例えば、人魚の肉を食べたら不老不死の肉体を得るだとか、王子様に片思いしてそれが叶わずに泡になって消えちゃうだとかさ」


 ロコ

「俺は……その、食べても美味しくないよ?」


 マキナ

「誰がそんなハナシをしてるかー!」


 リョウタ

「うん、人魚ってのはなんだか切ない話ばっかりで、そういうのがメロウ族にも伝わっていたのかもね」


 エリシェ

「でも、私達はハッピーエンドを迎えた……って事でいいんですかね」


 ロコ

「ああ、なんだかこれから先はメロウ族もようやく自分で歩けるって気がするんだ」


 ステラ

「はい、ロコの元気そうな顔が見れたので……こんな事……」


 シックザール

「酒が効いたんだよ、酒はいいモンだ」


 ロコ

「へっへへ、あれ、美味かったな!」


 リョウタ

「まあ、おかげでこれからギルド通いで忙しくなりそうだ」


 シックザール

「それより、ほら、報酬忘れてねぇか?」


 ロコ

「あ、そういやそうだったね」


 ……未来が見えるとかいうアレか。


 エリシェ

「私は……どうしましょうかね……」


 リョウタ

「え? いらないの?」


 マキナ

「先輩は……心配無さそうですもんねぇ」


 エリシェ

「もう、何言ってるのよ」


 リョウタ

「具体的にはどう見えるの? その、どうなるのかってのを聞く質問自体がしにくかったりしたらさ……その辺教えてよ」


 ロコ

「そうだね、この貝殻を使うんだ」


 差し出されたのは巻貝の貝殻。


 ロコ

「ちょっと大きめだろう? これに聞きたいことをこっそり聞いて、そして中を覗けば……その答えが見えるんだ」


 リョウタ

「なるほど……これならひとりの時にでも見ることが出来るんだね」


 ロコ

「そうだよ、だから、秘密を聞かれたくなかったらひとりで見るんだ」


 シックザール

「こりゃあ、賭け試合なんかでボロ儲け出来そうだな!」


 ロコ

「そういうのは分からないようになってるんだよ……それに使えるのは1回だけだしね」


 1回だけ……でも、充分だろう。 エリシェに告白しちゃったら、どうなるのかってのを聞けば、その結果が見える……。



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