第8話 その4
ロコ
「それでさあ、ハーフだらけのメロウ族は、俺ら男性陣にとっては非常に危機なワケよ」
リョウタ
「男性…が?」
ロコ
「そそそ、まあその女性陣は姿は変わらないのに男は中途半端に人間に近づいちゃったモンだから、女性と男性の立場が変わったっていうかね」
マキナ
「女性が偉くなったんですか……私達の国も女王国ですけど」
……一応解説しておくと、マキナさんの国という発言はエチゴの事。 この島国の日本がこの世界ではバリバリのファンタジーである。 したがって、ジパンヌという国だけど、島国の名前で使う事もある。
また、街を治める城や王政が残っている為に、『この国』という時にはそれぞれの地方を『国』と呼ぶ事もある。
実際にも、戦国時代には国取りってよく言われるけどあれは日本の中のひとつの地域が国と言われていた。
エリシェ
「女性の権限が強いとなにか問題でもあるのですか?」
ロコ
「まあ、その、俺ら魚捕りが……退化しちゃったんだよ。 男共の殆どがね」
リョウタ
「え? じゃあ食事とかは?」
ロコ
「海藻だとか、あと、貝とかかなー?」
リョウタ
「それなら……まあ、死ぬような事はないのか」
ロコ
「そうなんだけどさあ! 女性は普通に魚捕れるのに……立つ瀬がないっていうのかなぁ?」
シックザール
「要するにどうしたいんだ?」
ロコ
「つまりね、まあ、魚が捕れるようになれば……いいのかな?」
リョウタ
「なんでそんなに自信無さげなんだ」
ロコ
「だってさぁ……女性達はアレだもん。 綺麗だろ? 見たことないか?」
エリシェ
「話に聞く限りではそうですねぇ」
ロコ
「でも、男はもうダメなんだよ、見た目が凄かったからさぁ……ウロコに覆われたガッチガチの肌とギョロギョロな目玉……俺らの一族は要するに人間の男に変えられたようなもんだよ」
マキナ
「まあその、人は見た目だけじゃないって言いますよ?」
リョウタ
「なんだかフォローになってない気がするけど……まあ、なんとなく分かったよ」
ロコ
「そうか……まあ、伝わったんならいいんだ。 でも、急に泳ぎが早くなったり追いつけたりしないよな?」
リョウタ
「魚が捕れればいいんだったら、網で漁とかしてみたらどう?」
ロコ
「そんな! それこそ人間達と区別付かなくなっちゃうじゃん?」
リョウタ
「そんなこと無いよ、海には普通に潜れるんだろ?」
ロコ
「そりゃあ、まあね……」
リョウタ
「俺が思うのは、これは人間との交流の無さが問題だと思うんだ」
ロコ
「え? なんで? 人間と交流したから俺らはこうなったってのに」
リョウタ
「その……原因はそうかも知れないけど、でも、他の種族と交流を持ってないんじゃない? メロウ族って」
ロコ
「んー、そういやそうかもね……」
リョウタ
「だからさ、網を使おうがなんだかろうが、結局他の種族と関わらなかったらもっと困った事が起きた時に頼れないじゃん?」
ロコ
「はい?」
リョウタ
「説明が難しいんだけど、人間にも恩を売って、そして人間からも恩を受けて、そうすることが、種族を守ることに繋がるんじゃないかって思うんだ」
ロコ
「俺って頭わりぃから、その、へへへ……」
エリシェ
「リョウタさんが言うんだから間違いないですよ」
ロコ
「ん? そうだね、なんだか要するにこの人を信じるかどうかって事だよな」
マキナ
「私達だけで出来る事なんでしょうか?」
リョウタ
「この街にも多分図書館とかあるでしょ、そういうとこで調べて、漁法とかいいのあったらそれを試せばいいよ」
ロコ
「これで、俺達……男連中も救われるのかなぁ?」
リョウタ
「ダメだったら他の方法をやればいいよ」
……そう、ダメかも知れないけど、やらない限りは確実にダメなままだ。 やらないよりはやった方が良いんだ。




