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第8話 その3

 来た道を折り返すような形になったが、ワカサの街には着いていた。 そこで一泊して、メロウ族が居るという浜へと向かう。


 そんなに簡単に見つかるのか? なんてのは無駄な心配だった。


 エリシェ

「あそこに青い人影がありますね……メロウ族の方でしょうか」


 リョウタ

「なんだろうね、メロウ族ってのは美しい女性の姿だとか聞いてたけど」


 マキナ

「メロウ族は、男の方は半魚人みたいな硬いウロコで全身を覆っていたという時代が昔にはあったみたいですよ」


 シックザール

「つまり、あれは……女じゃないけどメロウ族なのか?」


 エリシェ

「そうですね、聞いただけなのですけど……見るのは初めてで……」


 ……青い肌の青年らしき人物が佇んでいる。 何か哀愁を漂わせていて絵になるようではあったが……。


 ここは普通の!! 人魚って言われたらパッと思い浮かぶような美人のオネーサン的なモノが出てきて欲しいところ。


 リョウタ

「まあ、話が通じるのか確かめてみないとね」


 エリシェ

「そうですね、行ってみましょう」


 人魚の男

「あれ、アンタ達は……珍しいね、こんな何もないところに来るなんて」


 会話は出来るようだ?


 リョウタ

「どうも、その初めまして……この依頼書みて来てみたんですけど……」


 人魚の男

「ん? んあ?! なんだこの依頼は……なんでこんな依頼で来る気になったんだい?!」


 シックザール

「それはオマエが言うところじゃねーだろ?!」


 人魚の男

「あ、ははは、そりゃあそうだよね……じゃあ魚獲りに来たのかい?」


 リョウタ

「いや、人魚、メロウ族が抱えてる問題を解決してやって欲しいって、言ってる人がいたからね……まあ、来てみたって訳なんだけど」


 人魚の男

「問題……? まあ、あるような無いような……?」


 エリシェ

「良ければ話してください、話すだけでも気が楽になる事だってある筈ですから」


 人魚の男

「あっと、自己紹介がまだだったね、俺はロコ、よろしくね」


 よろしく、と一通りの挨拶と自己紹介が済み、どんな依頼に発展するのか期待に胸を膨らませて話を聞いてみる……が。


 ロコ

「まあ、俺らってさあ、ぶっちゃけ人間とのハーフなんだよ。 それで本来の生活にも人間の生活にもとけ込めなくてねぇ」


 シックザール

「そりゃあ、俺たちじゃあどうしようもなくないか?」


 ロコ

「っはは、ま! 確かにそうなんだけどねぇ」


 なんかこのメロウ族ってみんなこんな軽い感じのノリなのか? 依頼の方もさっぱりだし。


 エリシェ

「せっかく来たのに……」


 シックザール

「そうだよなぁ、報酬だってあんなんだしよ」


 ロコ

「……報酬になるかどうか分からないけど、ちょっとした未来を見ることが出来るとしたら面白いかい?」


 リョウタ

「未来? そんなの見えるんだったら自分の事だってなんだって簡単に解決出来ちゃうじゃないか」


 ロコ

「同族には効かないんだよ……それよりさ、使い方次第では面白い能力なんだよ?」


 マキナ

「例えばどんな事が出来るんですか?」


 ロコ

「例えば? そうだね……マキナちゃんだっけ、君がもしこのリョウタ君の事を好きだったら、例えば告白しちゃったら? どうなると思う?」


 エリシェ

「な! そんな事……!!」


 マキナ

「分かっちゃうんですか……!!」


 ロコ

「分かるんじゃなくて、見せてあげる事が出来るんだ。 どう? 面白いんじゃない?」


 リョウタ

「ああ! それは面白いかもね!」


 シックザール

「……なるほど、それが報酬ならだいぶやる気も出てくるってもんだよな?」


 示し合わせたように押し黙ってしまう……やっぱりみんな気になるところではあるのか……?!


 ロコ

「まあ、そんな訳だから、こっちの話ももうちょっと真剣に聞いてもらおうかなー?」


 なんて言ってるけども、やっぱりエリシェの気持ちとか見えるって事なんだよな……?


 それが気になって話なんか聞けそうもないような……。




 

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