裏・極秘任務
私は自分の気持ちには正直だと思うし、先輩ほど鈍感な訳じゃない。 だけど、自分が恋心を持っているという事は……それは私だけが知っていればいいだけの話。
今日は、リョウタさんに思い切り先輩へアタックするように、最高のアシストが出来た筈。
そう、この念話の指輪が外れたのだから……。
こうする事でしか自分の恋心を収められないなんてのは、結局は私も、先輩に負けないくらい不器用なんだ。
もう、なんでこうなっちゃうのかな……。
そもそもどうして好きになったのか……?
ウチの事を助けてくれたから?
人工呼吸の時に唇を奪われたから?
……あれは奪った? なんてツッコミなんて欲しくない。 あれは、死んじゃいそうな人が目の前にいたら、するでしょう?
するしかないでしょう?!
でも、こんな想いを抱いたまま。 こんな状態のまま、ずっと、こうしていられるなんて思えない。
だから、今日は思いっきり、リョウタさんにはぶつかって欲しい。
先輩は……多分……。
両想いなんだと思う。
でも、それをそばで見せられるのは何だかとっても……。
それでも、今の状態が続くのも悪くないとも思ってるところもあったりなかったり。
リョウタさんは……脈は無いと思ってるみたいだし……。
それが気がかりではあるのですよ……。
「あら、マキナ、どうしたの?」
「ええ?! あれ、もう帰ってきたんですか?!」
「ええ、食事をしてから少し買い物と、リョウタさんにも少し会って来ましたよ」
「あ! それじゃ! 進展があったんですね!」
「そんなものは……ありません」
「え、ないんですか?」
「もう、マキナはそういう話が好きなのね」
「そりゃまあ年頃の乙女ですからね!」
「それでは、私はもう少し休みますね」
「はぁい」
……なにやってるの! リョウタさんは!!
……でも、結局ホッとしてるんだものねぇ。
もう少し、この気持ちは隅に仕舞っておくことにしてもいいのかも……そしたら、もしかしたら……。
……深く考えない方が良いって事もある。
今日のところは、私も休む事にします。
――極秘任務編 終わり――




