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極秘任務 その2

 エリシェが宿から出てくるのを見計らって声をかける。 偶然会ってしまったねー!! って感じで? これってストーカー気味じゃない……??


 ……大丈夫なの、俺?!


 リョウタ

「やあ、おはよー!」


 エリシェ

「あら、リョウタさん、おはようございます」


 リョウタ

「今日は……いい天気だねぇ!」


 ……うん、いい天気だ。


 エリシェ

「ええ、本当に……」


 マキナ

(ちょっと! 何やってんですか!)


 リョウタ

(え? なんで? 自然な流れってやつを……)


 マキナ

(不自然ですから!!)


 リョウタ

(いや、なんていうの? 天気の話はテンプレ? みたいな?)


 マキナ

(そこはもうガツンと! 誘っちゃってくださいよ!)


 エリシェ

「リョウタさん、どうしたんです?」


 リョウタ

「んん? いやあ、なんでもないんですよ?」


 エリシェ

「何だか、変な雰囲気な……」


 リョウタ

「そうかな? 俺は普通だよ、フツー」


 エリシェ

「そうなんですか、良かったら朝食を一緒にいかがですか?」


 リョウタ

「ああ、うん、これから食べに行かない……? ってあれぇ!」


 エリシェ

「どうしたんですか?!」


 リョウタ

「いや、まあその、ね、誘おうと思ったら誘われちゃったから!」


 エリシェ

「そうでしたか、では行きましょう?」


 リョウタ

「はいーよろこんでー」


 マキナ

(おおお! なんという自然な流れに!!)


 リョウタ

(どこがだよ! って、それじゃ、この辺でいいかな?)


 マキナ

(そうですね……これ以上は聞いちゃあダメですよね)


 と、指輪を外す。 これはまあ当然なんだけど。 事前にうまく行きそうになったらそこで指輪を外す事になっていた。


 同性の人間でも聞かれたくないのに、更にマキナさんは異性。


 押しの強さで、強引に話を持ってきて作戦を立てて……。


 いいとこはあるんだけど、だからってこれから2人きりで食事なんだしさ。 やっぱり、聞かれたくないんだよね。


 エリシェ

「リョウタさんは、何か食べてなかったんですか?」


 リョウタ

「ああ、うん、まあその、作戦? じゃないよね……まあ、食べてない」


 エリシェ

「やっぱり変ですね」


 リョウタ

「何にもないよ……」


 エリシェ

「そうですか」


 リョウタ

「そうそう」


 エリシェ

「また、マキナが何か吹き込んだのかと思いましたよ」


 リョウタ

「いやあ、それは……どうなんでしょうか?」


 エリシェ

「まあ、丁度良かったので……」


 リョウタ

「何が丁度いいの?」


 エリシェ

「マキナの事、どう想ってるんですか?!」


 リョウタ

「はいぃ?」


 エリシェ

「だって、マキナの事はさん付けで呼ぶじゃないですか……私は、その契約主なのに……」


 リョウタ

「あ、ああ、それ? そうか……まあその、距離感ってのさ」


 エリシェ

「距離感……?」


 リョウタ

「なんて言うか、そうだね、ここはちゃんと話さないとね」


 エリシェ

「……どうぞ」


 リョウタ

「んー、強いて言うなら、エリシェは近い存在でありたいって思っててさ、だから、その近しい人っぽい呼び方なの」


 エリシェ

「……私が? ですか?」


 リョウタ

「そう、俺はエリシェと……距離感がない方がいいなって思っててさ」


 エリシェ

「マキナは……?」


 リョウタ

「だから、その、他人行儀な呼び方になっちゃうって言うのかな? って、これって言ってる意味伝わった?」


 エリシェ

「ええ……納得しました……」


 リョウタ

「まあでも、エリシェが気にするのなら変えるけど……」


 エリシェ

「いえ、いいんです、もう納得しましたので」


 何だか色々考えて来たのに……作戦通りには行かないものだなぁ。 でも、こうしてエリシェと2人で食事したり、何かの心配をしないでいいような平和な1日を過ごせるのってのは……。


 これは、これで悪くない。


 こんな偽デートだとしても。 俺は結構楽しかった。



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