第6話 その8
帰りの道は、馬の休息もあって4時を過ぎていた。 それにも関わらず、中は何やら騒がしい。
老人
「ほほう、その顔はなんとか出来たのかね?」
リョウタ
「ええ、まあちょっと予想外ではありましたけど……」
エリシェ
「あの、それにしても中はまだ人が起きているのですか?」
老人
「ああ、見てみるかね?」
老人に案内されて中を見てみる。 そこには共に戦った仲間達が動物の救護にあたっている姿があった。
これは……?
プレイヤー2
「遅かったじゃないですか、そちらの状況はどうなりました?」
リョウタ
「この通り、少し姿は変わりましたけど……助かりましたよ」
エリシェ
「それにしても、皆さんどうして帰らずにここに?」
プレイヤー2
「それは、あなた方が気になったから、という事になりますね」
老人
「ふっふ……そうは言っておるがな……ここに運ばれた動物の治療や手伝いなどを自らやってくれておるのだよ」
プレイヤー2
「ここに居るみんなが、同じ事を思っていたのでしょう……」
老人
「私は残って貰っても払える対価がないのだと断ったのだがね……無償で、やらせてくれと頼まれては断るの事も出来なくてね」
助からなかった動物達ももちろん居たようだ、だが、助かった命が多く、これだけでもこの依頼に参加した甲斐があったという気持ちになれた。
大鷲の姿を見せてやろうかと思ったのだが、そんな空気ではない。 まだ動物救護の戦いは続いている。
リョウタ
「俺も、ヒーリングなら出来るよ!」
エリシェ
「私も手伝います」
老人
「……ありがたいことだね……」
連れ込まれていた動物に関しては朝までかけてようやくではあるが、救出に成功していた。
モンスターではない動物達、今回は危険な冒険者達が絡んでいたのでその元凶となる冒険者を確捕という事で決着したが、結局のところ、そういった危険な冒険者というのは影にどれだけいるのかわからないままだ。
街に戻り、他のメンバーもペットの依頼の終了を確かめている。
アシモフ
「いやあ、今日は面白いモノが見れたと思ってるよ」
リョウタ
「アシモフさん! いや、こちらこそ!! 俺だけならあの場面、絶対に逃がしてた……」
アシモフ
「いやいや、結構いい線行ってたよ。 もし対戦で会ったら……まあ、お手柔らかにね」
エリシェ
「アルカナサバイバルですね……!!」
リョウタ
「そう言えば、なんだか追い詰めてる時に動きが妙に止まってた時があったんですけど、あれもスキルですか?」
アシモフ
「ああ、バインドね……ロケテ、バージョンアップと、回を重ねる毎に弱体されてるんだけど……まだ、使い道はありそうだね」
バインド……俺も持ってたような? あれがあったらもっと楽だったのかな……。
リョウタ
「弱体されてあの活躍ですか……なんという驚異……」
アシモフ
「弓は特殊だからねー……そうだ、カード交換しない?」
リョウタ
「あ! 喜んで!」
プレイヤー2
「私もいいかな?」
アシモフ
「おや……大佐殿」
名前は……アルファベットだったのでプレイヤー2、としか頭に入ってなかったが。 MUSUKA……。
リョウタ
「え? ムスカってあの?!」
MUSUKA
「ああ、まあ、そのファンなんですよ」
リョウタ
「ああああ!! あれ、俺も好きですよ!! 俺も大佐って呼んでいいですか?!」
MUSUKA
「……大佐って……まあ、よろしくね」
アルファベットでもローマ字読みなら出来るんだし、これからはもうちょっと名前に気を付けてみようかなぁ……などと思ったり。
エリシェはこの一連の会話の流れは分からなかったみたいで、ポカーンとしている。
何はともあれ、ペットをGET。
フレンドも2人、新たに増えて……とても充実した冒険となったのでした。
――第6話 終わり――




