第6話 その2
係員
「そうだね、とりあえずドラゴンは戦闘が得意だよ! 格闘に必要なスキルを習得出来る」
リョウタ
「なるほど……色々戦術の組み合わせが……って、カード戦士達とどう違うの?」
係員
「おっと、そうだったね、このペットってのは……なんと!! コストがかからないってのが最大の強みなんだよ!!」
リョウタ
「おおおお!! コストバランスかぁ!!」
係員
「じゃあ、説明を続けるよ? 大鷲はそりゃもう大きいんだよ、人を運ぶくらいの大きさでね」
リョウタ
「え! 乗れちゃうの?!」
係員
「乗れないんだけどね……、足に掴まって移動の補助に使う様な形になる」
リョウタ
「そうか……乗れたら面白かったのに」
係員
「ふっふ……そこで虎の出番だ!! こいつには乗れるんだ、しかも戦闘も結構強い方だし、移動と戦闘と、どちらもって思ったら虎だよ!」
リョウタ
「いいなぁ!! エリシェ!! いいよね!! ペットに乗ったりするのってさ」
エリシェ
「……なんだか怖そうなんですけども……」
リョウタ
「見たら気に入るかもよ?」
エリシェ
「1番大人しいのがいいです……」
係員
「まあ、迷っても後で変えられるから気にしないで、直感でバーンと決めちゃっていいよ」
リョウタ
「まあ、そうだねぇ……戦闘は期待できないかもだけど、大鷲にしてみるかな……?」
エリシェが大人しそうな、って言ったのもあるけど、それよりも空を飛べるのか? というところの方が気になった。
係員
「大鷲だね、それじゃあこれから依頼の内容なんだけど……」
リョウタ
「わかった!! 卵を取ってこいみたいなヤツ?」
係員
「いや、そうじゃない、今回の依頼は傷ついた大鷲の保護という事になる」
エリシェ
「……それは、野生の大鷲なんでしょうか……?」
係員
「うん、まあその、ここは依頼を仲介する場所で、詳しく説明してくれるのは大鷲の保護団体の方々だよ」
リョウタ
「傷ったって、普通にヒーリングじゃだめなのかな?」
エリシェ
「どうですかね……その、場所を教えてください」
シナノの街の南側、南シナノ。 山中へと向かう途中にその小屋はあった。 聞いた話では、ここに大鷲の保護団体があるというが。
こんなところに小屋だけあっても、物騒な世界だし……とても安全性なんてものは感じられなかった。
「ここだよね?」
「ええ、そうだと思います、入りましょう」
中の様子は殆ど聞かされたはいなかったのだから驚くのは当然である。 中には必死に動物を看護する人達がいた。 1番目立つ大きな生き物、大鷲が傷を負って横たわっている。
これは……?
「おお、来てくれたのかね……」
動物の救護なのだろう。 その人達の中でも1番年輩に見える老人が話しかけて来た。
エリシェ
「カードギルドの依頼で来たのですが……」
ザワっと、一瞬こちらに視線が集まる。 何事だろう?
リョウタ
「冒険者のリョウタです」
老人
「うむ、ありがたいことだ……が」
と言って外に出るように手を差し向ける。 この展開はよく分からないのだが……?
老人
「すまないね、来て貰ったというのに……まあ、私の部下たちが失礼な口を利く前に、少しお話をさせて頂こうかね」
エリシェ
「一体……何があったんです?」
老人
「うむ、順を追って話すとしよう。 まず、あの動物達の怪我の元が自然の掟とは違う形で起きた現象であるという事をな」
リョウタ
「どういう事ですか」
老人
「自然に生きる動物達は、皆が同じように生きる権利を持っておる」
エリシェ
「はい」
老人
「であるから、これがもしも自然の掟の中で起こった怪我であるなら、私達は関与する事はしないのだ」
リョウタ
「えっと……怪我しててもほっとくって事ですか?」
老人
「うむ……」




