エリシェのバレンタイン その3
「まあ、そんな訳でね、その時の思い出というか、なんやらで処分出来なかったんだってさ」
「そうだったんですか……」
「でも、シックザールとも本契約してるし、ほぼ意味の無い書類になってたんだって」
「そうですか……」
なんだか少しホッとしたような気がしました。 恋愛とかそういうのは一時おいて、契約を切られてしまうなんて……。
私にとっては、召喚したのにその冒険者が去っていくというのはやはりトラウマになっているのかも知れません。
だから、ホッとしたのだと思います……。
「これは普通に燃やしたりすれば良いだけなの?」
「ええ、はい、そうですよ」
「なんだ、そうなのか……」
と言って魔法で契約書を燃やしてしまうリョウタさん。
「あ、あの、私もチョコレートあるんですけど……!!」
「あ、うん!! ありがと!! エリシェならそういうところ気が利くだろうなって思ってたんだー!」
「……はい、私の分です……」
「やったね! 今日のミッションは達成だー!!」
「なんですか? ミッションって」
「やっぱエリシェのが欲しいじゃん?」
……なんで、こうストレートなんでしょう……?
でも、悪い気はしないのですけれど……。
軽いって気がして、本気で言ってるようにも聞こえないんですよね……。
「私のは別に手が込んでる訳じゃないんですよ?」
「いいの、貰えたら」
少しビックリしたりしたけれど、バレンタインのチョコレートを渡す事は出来ました。 私はリョウタさんの事はやっぱり……。
自分の気持ちなのに……やっぱり、分かりません。
――バレンタイン 終わり――




