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第4話 その5

 ゲームセンターにて


「……ここで2話目、前半終了ってどうなんだ?」


 気がつけば喉になにか栓でも詰まってるんじゃないかと思えるほど、ストーリーに魅入っていて、 喉が渇いている。


 自販機に向かう途中で主人公の立場だったらを想像する。 いや、全く、全然シチュエーションは違うのだが……。


 このまま主人公は一晩、悶々として耐えることになるのだ。 エリシェが死ぬとはまだ思っていない。 それにしても無事である事は保証されてもない。


 二次創作というものを書くにあたって、特に主人公の心理描写などは苦手だし、どうやって書き出したら良いものか悩んでいるところでもある。


 ここで、この悶々とした気分のまま帰ったら、主人公の気分が味わえるのだろうか?


 思い立ったらやってみる。


 今日のところは帰ることにした。


 だが、当たり前の事で、筆も進まないし1話のまとめの部分ではあったがほんの少しだけ更新して休む事にする。


 また後日、この続きをやって、それから1話も終わらせよう。


 そうしてまたゲームセンターに来た。 


 コインを入れて画面を見る。 そこにはエリシェの姿ではなく、マキナがナビゲーターとして現れた。


 ?!


 ナビゲーターをエリシェに選んだストーリーモード、これの二次作品というか、リプレイ的なモノを書いている訳だが……。


 こんな画面ですら、エリシェには会えなかった。


 攻略サイトを見るような事はしたくないので、そのままスタートボタンを押す。


「リョウタさん、大丈夫ですか? うなされてましたけど」


「ん? ああ、一応眠れたんだし、大丈夫」


「……それでですね、リョウタさん」


「なに?」


「私と契約しませんか?」


「え、ああ、そうだよね、俺カード使えないんだった……」


「一時的にですけど、やっぱり搜索の為には必要だと思うんですよ」


「……そうだね、その通りだ」


「はい! では仮契約なので簡単ですよぉ!」


「え? 仮契約ってなに?」


「ああ、シックザールとかそうだったんですけど、ギルドで契約するのではなくて、この呪文書で契約するんです」


「へぇぇ……」


「では、ここにサインを」


 サラサラと日本語で。 こういう時には言葉が変わらないのは嬉しいところだ。


「はい! これでオッケーです!」


「ありがとうね、マキナさん」


「いえいえ、私も先輩はまだ生きてるって思ってますから」


「うん、急ごう」


 ギルドで馬車を手配した。 最初は旅費を安くあげようかと思っていたのだが、今はお金よりも時間だ。


 馬車は、買ったりレンタルしたりではなく、街から街への商業用の荷物に便乗させて貰えることになっていた。


 ギルドの前で多少の紹介をしてすぐにも出発する。 


 目指すはあの流された例の川の下流付近だ。 そこから全力でエリシェを探し出す。 


「先輩は、学校で知り合ったんですよ」


「ははぁ、なるほど、それで先輩って呼んでたのか」


「はい、私以外にも街の人は通ってましたけど、やっぱり授業料が高くて……貴族の方達の方が多かったんです」


「エリシェも貴族だったんだもんねぇ」


「貴族とか、そういうの関係なしに優しいのって先輩くらいだったんです」


「あー、なんとなく想像出来るわ」


「半年くらいしか違わないのに、もう憧れちゃって!」


「半年? 編入した? あ、いや、世界が違うのか」


「そうなんですよ、学校はいつ入学だとかそういうものは無いです」


「卒業はあるの?」


「ありますよぉ……まあ、その前に潰れちゃいましたけど」


「でも、前の件で学校は復活したんじゃん」


「私は召喚術さえ取得出来たら良かったので、もういいんです」


「なるほどね……塾みたいなモン?」


「ジュク? ってなんですか?」


「ないよね、知らないよね、そりゃそうか」


「もしも、リョウタさんの居た世界と行ったり来たり出来るようになったら……なんだか面白そうだなぁ!」


「どうだろうね……結局は人だもの」


「人?」


「どんな人に出会えるかって事」


「ああ、そうですね……先輩に会えたから、学校も楽しくなったんだし」


「俺も、高校の時くらいからだよなぁ……やっと周りに馴染めたの」


「コウコウ?」


「ああ、俺の居た世界の学校だよ」


 と、馬車の速度が徐々に落ちていく。 「そろそろ言われた場所あたりだよ」 と、教えてもらい、馬車から降りる。


 いよいよ、捜索スタートだ。



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