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第4話 その2

 旅に出る、と言っても理由は様々だ。 例えばマキナの場合。


 マキナ

「……温泉宿も拡張して商売をバーンとぉ!! 盛り上げるのも、面白いかなって思ったんだけど、やっぱりサマナーとしての実力がどんなものかを確かめる闘技大会『アルカナサバイバル』に出てみたいってのが当面の目標になりますかねー!」


 エリシェ

「マキナは前から言ってましたもんね」


 マキナ

「先輩も出てみたらどうですか?」


 エリシェ

「私はその……争い事はあまり好きではありませんし……」


 シックザール

「まあ、俺と契約したんだ、大船に乗ったつもりでいいぞ!」


 マキナ

「シックザールはリョウタさんに一方的にやられたそうじゃない……」


 シックザール

「あれはその、鎧の効果が分からなかったからだ」


 リョウタ

「そんなに一方的にって感じじゃなかったと思うけど」


 エリシェ

「そう言えば、あの時はリョウタさん、不自然に攻撃をくらいましたね」


 シックザール

「あれは傑作だった! あんな……」


 リョウタ

「それ以上は言うな……!」


 フォローのつもりが墓穴を掘る事に。


 マキナ

「反抗的になったら、即リストラだからね!」


 シックザール

「むう、仕方ない……」


 この2人の組み合わせは結構アリなのかもな……などと思いつつ、俺とエリシェはどうなんだろう? とエリシェの方を見てみる。 目が合ってしまう。 ニコリとするエリシェ。 ……守りたい、この笑顔ってやつだろうか。


 マキナ

「……先輩!! ……エリシェ先輩!」


 エリシェ

「あ、なに?」


 マキナ

「先輩とリョウタさんは良いコンビって気がしますよ!」


 エリシェ

「もう、何を言い出すのよ」


 そうだ、もっと言ってくれ。


 マキナ

「大会に出たらいいのにって思うんですよぉ」


 エリシェ

「私は……私には、先にやることがありますから……」


 マキナ

「昔の男の話ですかー?」


 リョウタ

「昔の男って、それは……?!」


 マキナ

「あ! リョウタさんヤキモチですかー?!」


 リョウタ

「……まあ、そんなところだ!」


 マキナ

「おぉ! またなんとストレートな……!」


 エリシェ

「その、昔の男って言い方はやめてください……紛らわしいので」


 マキナ

「私も詳しく聞きたいですー」


 エリシェ

「……その、前にも召喚の儀式というのをやった事がありまして……それで、呼ばれたすぐの頃は、素直になんでも聞いてくれる人なのかと思ってました」


 シックザール

「それが、昔の……じゃなくて契約した冒険者って事か」


 ……そんな事聞いたことなかったもんなぁ……、でももしかしたら、それが原因だったのだろうか? たまに見かけた不安な表情とかは。 


 エリシェ

「その人は、とにかく……その、品性が、その、私達とは違うというか」


 リョウタ

「もしかして、ガラが悪いって事?」


 エリシェ

「そうですね……はい、私はなにも同意出来なくて…結局姿を消してしまったんです」


 ……だからなのか? 俺に丁寧な言葉を使ってるのって。 俺にまた逃げられたり? いや、期待もあっただろうし裏切られたようなもんだろうか。 もしかして、そんな不安と戦ってたのか? 


 リョウタ

「……エリシェ、俺は大丈夫だから」


 エリシェにどれだけの言葉をかければ安心してもらえるのだろう。


 マキナ

「でも、姿を消したってだけなら、そんなに問題じゃないんじゃないですか?」


 エリシェ

「いえ、私が呼び出してしまった以上は、彼の責任は私の責任だと思います」


 シックザール

「ふむ? それじゃアンタの旅の目的ってのは、ソレか」


 エリシェ

「そうですね……アテはないのですけど」


 マキナ

「そうでしたか……先輩も辛い目にあって来てるんですねぇ」


 リョウタ

「そうか……、でもまあ、とりあえずアテが無いんだったら、闘技大会の開催地に向かうのも悪くないよな」


 マキナ

「そうですよ! こっちが有名になればまた戻ってくるかも知れないですね!」


 リョウタ

「いや、人の集まるところで情報を集めるってのは基本だからで……」


 エリシェ

「リョウタさんは、信じてますから」


 リョウタ

「お! フラグ?! 俺がんばっちゃうよ?!」


 マキナ

「なんだか余計な心配はしなくて良さそうですね」


 シックザール

「だな」


 リョウタ

「ああ、そうだコレ持っててよ……そろそろカードがいっぱいになっちゃうからね、もし大会に出るとしたらまたカードのドローで溢れちゃうからさ」


 エリシェ

「はい、大会に出るのも悪くないのかもですね」


 コスト100にも満たないザコカード達には一旦お別れだ。 アルカナサバイバルという闘技大会に向けて、俺ももっと腕に磨きをかけなければ。


 エリシェの旅の理由もこれでハッキリした。 


 全力でエリシェを応援する事を、心の中で誓う。 これは言葉にしても、言葉にしかならない。 あとは証明、エリシェの為にどれだけ役に立つのかをこれから証明し続ける。 そう決めた。




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