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第4話 「エリシェの危機」

 後日、プールの復旧や学校の復旧、更にはギルドが王政の管轄下に入る事となり、ギルドの運営などを援助していたもともとの貴族であるエリシェの父は爵位を上げる事となる。


 これでエリシェの立場も悪くないんじゃないだろうか? 


 それから、マキノさんは結局旅に出ることにしたようだ。 ダイモン(地上げ屋)からのお詫びの修繕費用やら、妨害工作で被った営業利益分やらで元通り以上の施設になったからだ。


 エリシェもまた、同じように旅に出ようとしていた。 爵位が上がる事と、更には女王との深いパイプラインが出来たことも大きかったのだろう。


 当然、俺もエリシェのお供として旅の仲間に加わる。


「これはこれでいいかもね……でも、アーケードのストーリーモードとはえらい違いだなぁ」


 牛丼屋にて、小説を渡部に見てもらっていた。


「いや、まあそうなんだけどさぁ、どうにも戦闘入れたら人と人との戦いになっちゃって、入れたくなくてさ」


「それにしても、この最後はどこの美少女ゲームだよって終わり方ジャマイカ」


「つい、カッとなってやった。 今では反省している」


「まあ、アーケードの方はストーリーらしくはなかったもんなぁ」


「どうしても戦闘入れないといけないからね……、バトルカードゲームの宿命というか」


「これ、トリックは思いつきなの?」


「んー、パクリ、というか、なんかイジメ問題で録音機材でやっとイジメが発覚したって事件覚えてる?」


「ああ、あったねぇ」


「あれはさ、力が無くても戦えるという、ある意味究極の事実だと俺は思ったんだよ」


「そこから引っ張ってきたのか……」


「まあ、パクリって言うとなんだからオマージュね」


「使い方あってるのソレ」


「どうだろうね」


「はぁ、バージョン1,0で結構人気出てきたし、今度のバージョンでまたスキルとか増えるのかねぇ」


「それも欲しいとこだね」


「リョウタはあれからカード強化した?」


「いや、してないよ……上限300だっけ」


「うん、でも結局3人で戦うから1人あたりのコストは200くらいに抑えたほうがいいとか、そう言われてるね」


「160くらいのを2枚セットしとけば、最悪全部やられてもMP残るじゃん? 自分復活して、他のカードペア呼んで戦ってるよ」


「それも、有りっちゃあ、有りだな」


「魔法の鎧くらいだよ……良いスキルは……もうちょい他のスキルも取ってみるかなぁ」


「鎧のレベルは2か……あれ、小説だとやたら強いイメージになってない?」


「しょうがないでしょ、ホントにダメージ無効なんだから」


「耐久度低すぎだけど、その代わり1発ならどんな攻撃も無効化なんだよな……」


「使い道は凄いしレアっぽいんだけど、他のスキルがなぁ……」


「今日ももうちょいやってくだろ?」


「ああ、それによってはまた能力変えないとな……」


 食後の雑談からゲームセンターへ向かう事にして、いったんレジへ。 小説の構想をとにかく練り続けるしかない。


「ストーリーモード2話目やったの?」


「終わったよ、どうしようか迷ってる」


「エリシェが大変な事になるんだろう?」


「まぁね、どうやって話まとめるかなぁ……渡部は?」


「まだやってないよ、しょっちゅう来れるわけでもないしね」


「相変わらず忙しそうだなぁ」


 β版、ロケテストの頃から1話までクリアすることで対戦モードのFルートが追加されるようになっていた。


 アルカナサバイバル、という闘技大会が開催されるというモノ。


 これについては後々、詳しく語ることにしよう。


「今日はちょい対戦やってくか」


「おう、2対2のタッグバトルだね」


 店内対戦、全国対戦が選べて、1人でも2人でも参加出来る。 これがなかなか熱い! 対戦ゲームは1度は挫折したものの、これならカードの性能があるから、どうしても絶対的に有利という戦略が立てにくい。


 だからこそ、毎回相手がどんな能力か分からないという緊張感が生まれるのだ。


 俺の勝率は4割、渡部は5割、それほど高くないけど、それでもやりたくなる魔力がこのゲームにはあるのだ。


 ひとしきり対戦で盛り上がり、今日のところは解散となった。


 帰ればキーボードの向こうに、エリシェやマキナ、シックザールも居る。


 さて、ストーリーモードの2話目といこうじゃないか。 キーボードに向かって1人で気合を入れ直すのだった。



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