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第3話 その8

「お主、どういうつもりだ? 女王様が来たところで、信用を得ているのは私の方なのだぞ」


「確かに、そうみたいですねぇ」


 ……まもなく部屋のドアがノックされる。 大臣殿、女王様がおいでです。 と、兵士の声に、お通ししろと大臣。


 大臣

「これは、女王様……今日はどういったご用なのでしょうか……?」


 女王

「ええ、こちらにいらっしゃる冒険者に会いに来ました」


 ……美人だ。 美しいとか綺麗だとか、品格だとか気品だとか、何かの言葉で形容しようとすればその形に収まりきらないのでどう説明したら良いのだろうか? と悩んでしまう。


 これは、1度見ただけで感動してしまうような……肖像画から飛び出してきたような、本物の女王様。 


 こんな女性なら、永遠に17才だと言い張っても通るだろう。


 リョウタ

「お初にお目にかかります、召喚主はエリシェ、冒険者のリョウタと申します」


 エリシェの姿も、女王様の隣にあった。 こちらも貴族用のドレスで現れたので新鮮だし可愛い。


 女王

「リョウタ、このゲームはもう終わりで良いのでしょう?」


 リョウタ

「はい、それにしてもビックリしました……」


 女王

「わらわもです。 フォックス(大臣)、とりあえずは後でこってり、事情をお聞きしますよ」


 大臣

「あ、そのどういう事なのでしょう……?」


 女王

「ああ、これです」


 と、指輪をここにいる一同が見えるように差し出した。 俺も同じように差し出す。


 念話の指輪。 これは最初の冒険でエリシェが俺にくれたものだ。


 これで中継して大臣との会話を聞いてみる、ゲームのような事をしてみないですか? と、エリシェから女王様に打診する、というのが今回の作戦だったのだ。


 ちなみに、ゲームに参加したらそこで咳払いをひとつ、コホン、と、つぶやき、受信の確認をする。


 大臣

「それは……念話の指輪ですね……」


 女王

「途中から、わらわからの質問になっていたのに気づかないのが面白かったのですが……」


 大臣

「な、……」


 リョウタ

「えっと、しかし、最後の質問は私のアレンジでしたけどね、それから、もうそれくらいで許してやってくれという女王様の声がありましたので」


 女王

「そうですね……この場に居ても気まずいでしょうから、部屋でまっていなさい、わらわはリョウタとお話をしに来たのです」


 大臣

「……女王様……お許しを……!!」


 女王

「フォックス、部屋で待っていなさい、今はまだ取り戻せます」


 大臣

「……はっ……仰せのままに」


 大臣は退室した。 今、部屋には女王、エリシェ、マキナ、俺の4人となった。


 リョウタ

「この度は提案を了承頂き、感謝いたします」


 エリシェがこちらを不思議そうに、見ている。


 女王

「いえ、こちらも少々退屈していたところです。 それにしてもエリシェ、リョウタは言われていたほど口は悪くはないではないか」


 エリシェ

「じ、女王様! いえ、そのリョウタさんがこのような喋り方をするなんて私も初めて知りましたので……」


 リョウタ

「せっかく取り繕ってるのですから、あまりからかわないでください」


 女王

「ふむ、リョウタは普段とは違う喋り方なのですね」


 マキナ

「そりゃあもう! もっとガサツな感じですよ!」


 リョウタ

「ちょ、それはないのでは……」


 女王

「リョウタ、普段通りに話をしていいですよ」


 リョウタ

「え、あの、しかし……」


 女王

「なんだかわらわだけが、仲間外れにされてるようで……この今のような時だけですが、よければガサツというのをみせてください」


 リョウタ

「あ、はい……えっと、俺はまあその公の場で話すことも一応経験してたので、まあ、ちょっと最初はマキナさんも変な目で見てくるし、エリシェもだし、実はいっぱいいっぱいなんですけどね」


 マキナ

「おお、戻った……」


 エリシェ

「それなら、どうして召喚主の私は呼び捨てで、マキナの方をさん付けなんですか?!」


 リョウタ

「……今、答えないとダメ……?」


 女王

「う、む……やっぱりまだ仲間外れのように感じてしまいますね……」


 マキナ

「あ! 女王様もこう言うお話はお好きそうですねぇ」


 女王様の耳元へゴニョゴニョと話している。 内容は……なんだろう?


 女王

「お、ほうほう……なるほどそうであったか……」


 リョウタ

「あ、あの、何を? というか、プールの件だとか学校の件だとか、そちらの話を進めましょうよ!」


 エリシェ

「リョウタさん、それはもう女王様にお願いしましたので心配いりません」


 リョウタ

「え? 学校の件も? なんだ、話が早いなぁ」


 エリシェ

「それよりも、さっきの事はどうしてなんですか?」


 マキナ

「あ! エリシェ先輩もそんなに怒らなくても……」


 またもゴニョゴニョと……そしてエリシェはちょっと赤面しているような、女王様もなになに? と興味津々で話を聞いている様子。


 リョウタ

「あの、俺にも聞こえるように話してくれないかな?」


 とても予想外だが、女性3人に対して男性は俺ひとり。 この構図がとても不利であると今更ながら思い知ることになった。


 とは言え、どうにか街の問題は片付いたのかも知れないな。 綺麗どころが3人でガールズトークなのだろう。 微笑ましい。


 マキナ

「と、いう訳で! 私もサマナーだし、リョウタさんと契約するのもありだと思うんですよね!」


 リョウタ

「はい? どうなってん……」


 女王

「いえ、わらわも召喚術なら使えるのです、わらわの為に仕えては貰えませんか?」


 エリシェ

「リョウタさん! あの、最初に契約したのは私なのですから……」


 マキナ

「ふっふっふ! この3人から選べるなんて贅沢な事だと思いませんか? さあ! どうしますかーー??!!」


 リョウタ

「……その、エリシェに呼ばれて来てるんだし、エリシェでしょ」


 3人の話が更に盛り上がってしまった。 ひとりのけ者にされることになったが、街の問題も解決出来たと思うし、とりあえずは良かったのかな?


 まさか、最後の最後にマキノさんが場をひっくり返してしまうなんて、思いもしなかったけど……。



 ――第3話 終わり――



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