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第3話 その5

 日が暮れて、夜襲もあり得るという事で、交代で見張りに立つことになった。 女性陣はこの数には入らない。


「……もう1枚、カードが欲しいところだな」


「カードってもう強いカードが揃って来てるじゃありませんか」


 後ろから、エリシェが近寄ってくる。 


「エリシェ、寝てていいのに」


「……何だか気分が晴れなくて、少しお話してもいいですか?」


「いいよ?」


 玄関脇にただ座ってるだけの隣に、エリシェもまた座る。


「カードってなんの事ですか?」


「ああ、情報の事」


「あら、そうでしたか」


「はは、紛らわしかったね、それより気分悪いの?」


「……えっと、なんて言えばいいのか、わからないのですが……」


「ふーん? まあ、話すだけでも解決する事もあるもんだよ」


「え? 何も話してないのに解決する事が分かるんですか?」


「いや、話す事自体が、何か解決に繋がるってこと」


「……私の父は、カードギルドの設立に関わってたんですけど、それが元で爵位を与えられることになったんですよ」


「え? 本当?! 凄いじゃない」


「そうなんですけど……、ぱっと出ていきなり爵位なんて貰ったもので、名家の方々から、ちょっと、その……」


「あー、ま、だいたい分かったよ」


「……そんな事もあって、家には居づらかったんです」


「でも、ギルドって出来たのは結構最近なんだ?」


「いえ、かたちだけはあったという感じで他の街にはもっと前からありましたけど、……この街では最近の出来事ですかね」


「聞いたよ、お嬢様なんだって」


「いえ! 私はそんなの何だか堅苦しくて……」


「それで家出したいの?」


「!! そんな事!! …………でも、そうなんでしょうか」


「旅行って感じなら、気晴らしにいいかもね?」


「……そうですね……。 マキナが旅に出たいって話をしてたんですけど……それを聞いて、なんだかショックで……」


「……そうなんだ?」


「……私も旅に出たいのでしょうか?」


「変なの、質問になってないよ?」


「……そうですね」


「悩むくらいならいっそ、旅に出ちゃえばいいじゃん」


「でも、お家の事、両親の事を考えると……、なんだか、周りから色々言われて追い出されたような感じに見られないかなって思って……」


「……そうなのかぁ……」


「両親も、街の人も、好きなんですけど、何だかスッキリしなくて……って愚痴を聞いてもらう為に召喚したみたいですねこれじゃ」


「……いいって、そんなの」


「……まだよく分からないです、自分の気持ちも」


「寝とくといいよ、不眠は、思考も鈍るから」


「はい」


 エリシェはマキナの部屋へと戻って行った。 もしかしたらこれが最後のカードかも知れないな……。


 じっくり考えを巡らせて、交代の時までの時間を過ごす。


 シックザールがやってくる。


「おう、時間だろ? 替わるぞ」


「あ、もうそんな時間だったか……起こすはずだったのにごめん」


「いや、構わん。 それより明日ダイモンのところ乗り込むんだろ?」


「ああ、例の地上げ屋ね……」


「やっと暴れられるな」


「……まだそうと決まってないよ」


「ん? そうか、俺はてっきりあの支援金ってのを奪っちゃろうとしとるのかと思ったぞ」


「ん?! 支援金?!」


「なんだ?!」


「そんな話してなかっただろ!」


「ああ、情報ってやつか。 忘れてたわ」


 ……こいつの忘れてたは本当に忘れてたんだなと思う……。


「これが最後のカードになるかな」


「お、やっぱり乗り込むのか?」


「……少し考えをまとめる、寝かせてもらうよ」


 そう言って仮眠を取ることにした。 支援金ってのは、まあ、ワイロだろうな。 それであんなのが野放しになってるのか……。


 もしそうなら、王家が敵? いやいや大き過ぎるな。 この場合は……。


 とりあえず、明日もう1度、話あってみて、それから実行に移るか? そんな事を考えながら、いつの間にか眠っていた。 


 翌日


 リョウタ

「という訳で、女王様にお話を聞いて頂く事が一番重要になる!」


 エリシェ

「私って、結構重要なポジションですね」


 マキナ

「私は1度リョウタさんとペアになるんですか?」


 リョウタ

「ま、一時的にね」


 シックザール

「俺は居残り、かよ」


 リョウタ

「シックザール、冒険者であっても、契約主が居ないんだから無理はするんじゃないよ?」


 父

「本当に大丈夫なんでしょうか」


 マキナ

「娘を信じて待っててね!」


 リョウタ

「では、各自の健闘を祈ります」



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